調製度数をどうするか 10

「調製度数をどうするか」の判断は、最終的にはお客様に委ねることになります。

その判断にしても、「絶対に正しい」ことはありません。

そもそもメガネ調製は「やってみなければ100%ことはわからない(具合がいいかどうか)」ものです。

わからないものに正否の基準はありません。

お客様の判断基準もあやふやなもので、調製度数はその日の気分や意識によっても左右されることもあります。

天候や時間帯によって、判断が異なることも不思議ではありません。

そんな不確実性の商品(メガネ)ですから、共同作業で作り、共同で責任をとるしかありません。

違和感があると、「このメガネは間違っている」とお叱りを受けることもあります。

このお叱りも正しくはありません。

その度数を選んだのはお客様ですから、「間違えたのはお客様」ということもいえます。

でも、店の「不足」も必ずあります。

説明不足、提示不足、配慮不足などですね。

どちらの責任が大きいか。

目的は「上手に当店をご利用いただく」ことです。共同作業の責任は「五分五分」と考えたほうがいいですね。

 

 

 

 

調製度数をどうするか 9

事例

50歳代 B様

ご持参眼鏡の度数

R S-1.75D C-0.75D Ax90

L S-1.75D C-0.50D Ax90

(Sは近視度数、Cは乱視度数、Dは度数の単位、Axは乱視軸)

当店検査度数、基本度数(5m 両眼開放屈折検査)は、

R S-2.00D C-1.50D Ax72

L S-2.25D C-1.00D Ax88

年齢からいいましても、老視(老眼)になっています。

こんな場合の選択肢、

・単焦点レンズ(遠近両用ではないレンズ)では

1、遠方が見やすい度数

2、中間距離が見やすい度数

3、近方が見やすい度数

です。

1の遠方が見やすい度数は、中間距離や近方が見えづらくなります。

3はその逆です。

2は遠方も近方もそこそこの見え方になります。

調製目的が「車の運転」であれば、「1」でいいのですが計器類が見えづらくなることもあります。

・遠近両用メガネ

遠近両用メガネは、遠方度数、中間度数、近方度数とすべての距離を見ることのできる設計になっています。

このレンズを使いこなすことにより、快適な視生活を送ることが可能です。

しかし、遠近両用レンズは、その度数変化を不快に感じるかたもいます。

そういうことも、ご説明し、B様とのお話合いの結果、

単焦点レンズで

R S-1.75D C-1.00D Ax72

L S-1.75D C-0.75D Ax88

の度数で調製しました。

後日、

「気持ち悪くて掛けられない」とご来店されました。

お買い上げ後、数日しかたっていないので「慣れていただければ」とご説明しましたが、慣れていただける雰囲気ではなかったので、「レンズ交換」の選択をしていただきました。

度数的には乱視を1段階強めているだけなので、ご持参メガネと同度数での再調製です。

乱視軸もAx90にやりかえました。

これで、乱視を変更したことによる違和感は少なくなりましたが、前眼鏡の問題(乱視軸などが違う)は残ったままです。

これでいいのかどうか・・・・。

もし、前眼鏡と同度数で作ったとしてもレンズが古いものから新しくなることによる違和感も発生します。

「スッキリ見えてなんだか気持ちが悪い。」となることもあります。

「以前のメガネではこんなことはなかった」と言われることもありますが、それは当たり前で、人間の身体が変化しているからですね。

年齢を重ねるごとに、新しい変化を嫌う身体になっているし、眼の機能そのものも衰えてきています。

ですから、できるだけ早期に適切な矯正をするべきです。

前眼鏡を作られた5年前に、もっとしっかり乱視を矯正してくれていたら・・・・。

(5年前はそれぐらいの乱視だったかも知れませんが)

「安易な低矯正」は問題を先送りする面もあり、商売人としてのクレームを恐れるメガネ屋の事情もあります。

いや、技術者としてもクレームは怖い・・・。😵

 

 

 

 

調製度数をどうするか 8

左右で屈折度数(遠視、近視の度数)が大きく異なっているものを不同視といいます。

不同視のかたは、

・頭痛

・眼痛

・眼精疲労

・流涙

・複視

・自律神経の乱れ

などの症状がおきやすいです。

不同視は調節や輻輳にも負担がかかり、斜視や、斜位などの眼位異常にもなりやすいです。

特に、遠視性不同視は視機能異常になりやすいです。

ですから、適切な矯正をすることが望ましいです。

しかし、不同視矯正のメガネは「プリズム作用(誤差)」などにより、掛けづらい場合があります。

その点でも、早期に順応性が高い時期からキッチリと完全矯正をすることをおすすめします。

一般的に年がいけばいくほど不同視矯正メガネに慣れづらくなります。

 

 

 

調製度数をどうするか 7

メガネにはどうしても違和感がついてきます。違和感はゼロにはなりません。 

その違和感に対して、

「慣れるしか方法がないのですか!」とお叱りを受けることがあります。

違和感を少なくする方法はありますが、「まったく慣れる必要はない」ということはありません。

・違和感の少ない度数

・視機能が向上する度数

・見え方が優れている度数

どの度数を優先するのかの判断は、お客様です。

基本は、

メガネは慣れることにより、より良い視覚を発揮することができます。

結果、快適で見やすい道具(メガネ)になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

調整度数をどうするか 6

メガネには変化はつきものです。度数の変化、レンズタイプの変化、レンズ設計の変化、フレームの変化など。
変化があるたびに、多かれ少なかれ違和感もついてきます。 
同じ度数、同じレンズで仕上げてもフレームが変われば、空間視の感覚が違ってきます。
フレームによって、そり角、前傾角、サイズなどが違ってくるからです。

レンズ、フレームも進化しているといっても、違和感がゼロになることはありません。
もし、ゼロになったとしたら人間ではなくなるかも・・・・。 

その違和感にどう向き合っていくのかが、メガネ調製成功への道しるべです。
キーワードは「決めつけない」です。

決めつけてしまえば冷静な判断ができなくなり、柔軟性が失われます。
「違和感があるメガネはダメ!」、「慣れづらいメガネはダメ!」と決めつけると、メガネの変化、裸眼との変化にまったく対応できなくなります。

メガネは見るための道具で、道具は上手に使いこなしてこそ、本来の機能を発揮することができるものです。
使いこなすには、メガネも脳で使いこなすようにするのですが、マイナス思考の決めつけは脳の機能が停滞しやすく、脳と連動している眼球の動きも鈍くなり、メガネに慣れづらくなります。

 

新しいメガネを掛けることにより、見え方が変化し、調節と輻輳も変化します。直ぐに結果を求めるのではなく、徐々に慣れていただけますと幸いです。

もし、どうしてもダメな場合は浜田 清も責任を持ちますから、けっして「メガネのハマヤはダメ!」と決めつけないでください。 

メガネの小さな変化に上手に対応できるようになると、大きな変化への対応も上手になると思います。 

当店のメガネは、お客様との共同作業で調製し、お客様との共同責任になります。

ipadでフレーム選び

HOYA ipadアプリがバージョンアップされました。

当店はこのアプリを利用して、

・フレーム、レンズ選び

・眼の説明

・レンズ性能の違い

・レンズの厚み計算

・見え方チェック

などをしています。

Dscn01991 Dscn01981

調光レンズ(色の変わるレンズ)のシミュレーションもできます。

 

 

プリズムメガネを掛けると、見た目は?

プリズムメガネのお問い合わせがありました。

「プリズムメガネを掛けると外見上、目の位置が変わってみえますか」とのことです。

プリズムレンズを通過する光線は、基底(レンズの厚いほう)に進行方向が曲げられます。
像は頂角のほ うにズレて見えます。

実際に基底方向を内側(鼻側)、外側(耳側)、上下方向(右眼の基底が下、左眼の基底が上)にして写真を撮ってみました。(5△プリズム)

Bi

↑基底方向 内側

Bo

↑基底方向 外側

Bd

↑基底方向 右眼 下、左眼 上

プリズムメガネを装用することにより、外見上目の位置は移動しています。

その移動は、基底が内側、外側はほとんど気にならないと思います。

しかし、上下方向のプリズムは見た目の違和感をやや感じやすいです。

プリズム量にもよりますが、それが気になるかどうか・・・・。

メガネフレームによっても見た目の印象は変わってきます。

 

 

 

 

 

メガネの調製は共同作業

メガネレンズの度数は「0.25」刻みであります。

近視を矯正するマイナスレンズは、-0.25、-0.50、-0.75、-1.00、-1.25、ー1.50・・・・・・

ー5.00、-5.25、-5.50・・・・・ー10.00、-10.25、-10.50・・・・と。

強度になれば「0.50」刻みになるレンズもあります。

近視度数が強くなり、見えづらくなった等でレンズの変更をする場合、

慣れやすさを優先的に考えれば「-0.25だけ強める」を選択すればいいです。

しかし、この選択は「見え方はあまり変わらない・・・・」ということになりかねません。

メガネは基本的に見るための道具ですから、目的度数(遠方が見やすい度数)を選択すれば、それでいいのですが、そんなに簡単にいかないのがメガネ調製の難しいところです。

度数を変更することによる「違和感」があるからですね。

事例

60代のかた

右眼 R S-0.75D C-0.25D Ax90

左眼 L S±0.00D

(Sは近視度数、Dは度数の単位、Cは乱視度数、Axは乱視軸)

のメガネが見えづらいとのことでご来店。

今回の5m完全矯正度数(基本度数)は

右眼(1.2×S-0.75D C-0.75D Ax120)

左眼 (0.7×Sー0.75D C-0.25D Ax90

でした。(1.2、0.7はメガネを掛けての視力)

左眼は白内障があり、視力は弱いです。

当分白内障の手術はしたくないので「少しでも遠方が見やすいメガネが欲しい」ご希望でした。

装用テストの結果、完全矯正度数で調製することになりました。

その後、(お渡ししてから2,3日後)「左眼が疲れる。強すぎでは・・・・」との訴えがありました。

具合が悪い場合、往々にして「度数の合わせ方が悪い」と当方責任に持っていかれがちです。

でも、意味もなく(メリットもなく)眼の度数よりも強く作ることはありません。

今回の度数も基本度数より強く作ってはいません。

「遠方が見やすいメガネ」がご希望でしたから、70m先の見え方もチェックしています。

このかたは、普段はメガネを掛けていなくて使用するのは車の運転のときだけです。

なので、

方法

1、一旦度数を弱くして調製し、段階的に度数を上げていく。

2、普段からある程度メガネを掛けて、慣らしてしただく。

を提示しました。

今回、とりあえず2番から試してくれることになりました。

1番の場合、一番無難な度数は、

右眼(S-0.75D C-0.50D Ax91)

左眼(Sー0.25D )

ですが、装用テストでこの度数を提示しても、見え方の点でOKはいただけないでしょう。

装用テストは正しい選択をしてくれるとは限りません・・・・。

そもそも「唯一絶対正しい選択(度数)」というのは存在しないのですが・・・。

いずれにしろ、そんなに難しい調製(度数)ではないのですが、慣れの問題は個人差も大きくて、いつも不安な要素があります。

メガネ調製は希望のメガネを作ったとしても、どこかで不満がでてくる可能性もあります。

やはり「やってみなければ100%のこと(具合がいいかどうか)はわからない」

ということで、当店のメガネは共同作業、共同責任で対応していきます。

メガネに限らず、どんなことでも共同でやるということは難しい面もあります。

それを上手にやっていくことが肝心です。

メガネは息を合わせて作る見るための道具です

一般論?

当店は「メガネの通販」はしていません。

そのことでお叱りを受けることもあります。

「サービスが悪い!」ということなのでしょうか・・・・・。

昨日は電話で、「通販はしていませんが・・・」とご説明しますと「そんな一般論を聞いているのではありません!」と言われました。

仕方ないですね。ネットで簡単に物が買える時代ですから・・・・。

メガネの技術論でもお話したほうが良かったかも知れませんね。

変化への対応 7

度数を選んでいただく場合、まずお客様の基本度数(完全矯正度数や全矯正度数とも呼びます)をだすことから始まります。

検査の基本は、
・屈折検査(近視、遠視、乱視)
・眼位検査(斜位)
・両眼視機能検査(遠近感覚など)
です。
これは、非常に重要な検査です。基本度数によってお客様の持っている視機能を知ることができます。

この大事な基本度数を求めないで、調製度数(実際に作る度数)を提示しようとすることは、マズイです。 
オートレフ(コンピュータ測定器)のデータだけで、メガネを作るのは無謀です。

マトモに測定もしないで「前回よりも、やや強めた度数でいかがでしょうか」というのは手抜きです。

(手抜きというよりも、そもそもマトモに測定をする技術がないメガネ屋もいます)

ただし、お客様が測定を希望しない場合は、それに従うしかありません。

こちらにもどうぞ→「
検査情報

度数は通常「D」で表記します。(D=Dioptorie、度数の単位です)
たとえば
右眼 S-5.00D C-0.50D Ax130
左眼 S-4.00D C-1.00D Ax20
(Sは近視度数、Cは乱視度数、Axは乱視軸です)
通常度数は0.25刻みです。S-5.00Dより一段階強い度数はS-5.25D、一段階弱い度数はS-4.75D。


調製度数(実際に作る度数)は「基本度数からどうするか」ということになります。

度数選びの基本は、年齢、用途、用法、違和感などを考え、何を優先させて何を妥協するかの選択になります。

眼位や斜位を考慮に入れて、使用目的や違和感の事も考えて、基本度数から弱めるのか、強めるのかを決めていきます。

調製度数は、装用テストで「見え方」、「違和感」などを確認していただいて、お客様と当方のお話合いで決めることになります。

 

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ということなのですが、

「違和感のあるメガネは間違っている!」ということを言われたりもしますが、これは間違っています。

適切に調製したとしても、前眼鏡との差(もしくは裸眼との差)が大きければ大きいほど違和感を覚えやすくなります。

その差が少なかったとしても違和感はゼロにはなりませんので、敏感なかたは新しいメガネに慣れるのに時間がかかることもあります。

時間はかかったとしても、慣れる努力と工夫をすれば違和感の問題は解決することは、まず間違いないのですが、それまでにどう判断するか・・・・。

「間違っている!」と言われないように努力はしているのですが、説明を拒否されるかたもいますから、なかなか難しい点もあります。

説明すればするほど、お叱りを受けることもあります。「理窟を言うな!」と。

「イヤ、キッチリと説明いたします」と言うと、ひと悶着が起こることもあります。

こんな場合、眼鏡技術者と商売人のどちらの顔を優先するかです・・・。

「効率の悪いことはしない」、「お客様に嫌われないようにしない」ことも大事だとは思いますが、眼鏡士の魂は常に持っていたいです・・・・。

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