人間は左右で違っている

人間の右眼と左眼。

二つあるものは、左右で形がまったく同じではありません。

眼の位置が左右で上下に違うかたも少なくありません。

メガネを調製する場合、光学中心(光心)をその位置の違いに合わせます。

これを「心取り」と呼びます。

眼の眼球運動は「上下方向は、水平方向に比較して柔軟には動きません」ゆえに

上下プリズム誤差が生じると眼の疲れる確率が高くなります。

↑眼の高さが左右ほぼ同じで、光心と瞳孔が一致しています。

上下プリズム誤差は生じていません。

↑眼の高さが左右で違うため、光心と瞳孔が一致していません。

上下プリズム誤差が生じています。

 

心取り作業は、まず「フィッティング調整」からはじまります。

耳の付き位置も左右で違うかたは大勢います。

フィッティング調整は目、眉、耳、の左右の違いを考慮に入れて

ベストなポジションに整える作業でもあります。

この作業で目の位置に調整すれば、光心の高さは

左右同じにします。

左右の眉に合わせて調整すれば、それに合わせて光心位置を

左右で変えます。

なお、左右で度数が大幅に違う場合は、視線の位置でプリズム誤差が少なくなるように

心取りをすることもあります。

 

 

 

 

レイアウトに必要なペン

メガネを作る場合、

レンズを入れる前にフィッティングをしないと、レンズの光学中心の正しい設定(心取り)ができない」です。

「光学中心の正しい設定」とは、レンズの光学中心を使用目的や目の位置によって、玉型のどの位置にするかを決めることです。

そのレイアウトにかかせないのが、デモレンズに線を引く「ペン」です。

写真は黒ペンですが、瞳孔の色と同じ黒色では見えづらい(確認しづらい)ときがあります。

そんな場合、白ペンを使用します。

しかし、白ペンの種類は少なくて、なかなか気にいったものがありません。

 

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腺の太さ、見やすさ、書きやすさは「ぺんてる ホワイト 100」が優れています。

いままでは、このペンを使用することが多かったです。

しかし、インクの出方、耐久性などに問題があり、他の白ペンを試してみました。

・サクラ 「マイネームホワイト 布用」

線の太さはいいぐらいですが、水性なのでデモレンズによってはつかないこともある。

・「ラップにかけるペン」

線はやや太すぎるが、線は引きやすい。

・「白のボールペン」

ほとんど書けない・・・・。

先セルのないフレーム

メガネテンプル(腕)に先セル(耳にかかるブラスチック部分)のついていないフレームがあります。

 

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このフレーム、よりシンプルな点が好まれますが、フィッティング調整のやり辛いフレームでもあります。

耳に合わせて形を整えることが困難な場合も少なくありません。

また、金属部分が直接耳に触れるために、耳が痛くなることもあります。

そんな場合、「スリムフィット」をつけると痛さが解消できることもあります。

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なので、眼鏡技術者としては積極的に仕入れたいフレームではありません。

しかし、最近この手のフレームが増えてきました・・・。

「フィッティングに難のあるフレームは一切仕入ない!」とすればいいのですが、

そこまではできていません。

メガネは「オシャレも大事な要素です」・・・・ということで。

眼鏡工具

眼鏡工具を購入しました。

<新製品>

「ヤットコ」と「オヤユビツール」

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ヤットコは、
先端部分が平行に開閉移動することにより、面でガッチリと安定して固定することができます。

オヤユビツールは、

まるで鉄の親指を手にいれたかのような使用感です。    (メーカーHPより)

工具類などは実際に使用してみないと、使い勝手の良し悪しは分からないのですが、おそらくなんかの役には立ってくれるでしょう。

フィッティング調整にとっては、とても大切な眼鏡工具。

当店はいろんな工具で、いろんな細工もしていきます。

セル枠改造もできます。

フィッティング技術」はメガネを作るうえで、絶対にかかせない要素です。
メガネを生かすも殺すも、フィッティング次第」といっても過言ではありません。

人間のお顔の大きさ、耳の形、鼻の形はさまざまで、お顔に合わせてキッチリとフィッティングをすることによって、はじめて光学的要素力学的要素美的要素が満たされるからです。

ヤットコの破損

ヤットコが壊れました。

ドイツに本拠を置くB&S社のヤットコです。

持ち手にはディンプル加工がしてあり、握りやすいです。

 

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このヤットコはメタルフレームのテンプル(腕)の開き調整に使用しています。

頑丈な作りですが、長年の使用で金属疲労がたまっていたのでしょう。

なにしろ、開き調整は使用頻度が多い。

どれほどのメガネを直してきたか・・・・・。

それに固いフレームなどは、相当に力を入れて調整しないといけないときもあります。

捻り操作をすることもあります。さぞかしヤットコも悲鳴を上げていたでしょう。

(私の手首も時々悲鳴を上げます・・・・)

適切なフィッティング調整は、メガネの重要な要素ですから今後とも上手にヤットコと付き合っていきます。

鼻パッドのないメガネフレーム

鼻パッドのないメガネフレームが入荷しました。

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鼻パッドがないので、鼻にメガネ跡はつきません。

女性のかたにおすすめです。

鼻パッドがないかわりに、頬骨の上にのせるアームがあります。

このフレームは、アームの調整や、耳まわりのフィティング調整が重要になってきます。

また、「どんな顔の人にも合う」というものでもありません。

実際に当店にてお試しください。

頂間距離

頂間距離(目とレンズとの距離)をできるだけ短くフィッティング調整 をしたメガネです。

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頂間距離を短くしたのは、乱視 違和感を少なくする目的です。

乱視の違和感を少なくするには、乱視度数を弱める方法もあるのですが、そうすると視力は低下し、「視機能不良」に繋がる恐れも出てきます。

なので、乱視はできるだけキッチリと矯正したほうがいいのですが、そうすると違和感が・・・・。

今回もお客様との共同作業で、必要視力を確保し、「どれぐらいの違和感なら許容できそうか・・・」などのお話合いをし、乱視の調整をしました。

違和感の感じは、実際に頂間距離が短いテストフレームで、確認をしていただきました。

その上で、そのテストフレームと同じぐらいの頂間距離になるように、フィッティング調整をしました。

頂間距離はまだ短くもできるのですが、そうすると睫毛がレンズに触れてしまうので、それはマズイわけです。

ですから、乱視の強いかた、度数の強いかたは、睫毛が短いほうが有利です・・・・。

フィッティング調整のこと

「数年前から、めまい、首コリで困っています。御社の眼鏡フィッティングで症状が少しでも解消されるでしょうか? 」

という内容のお問い合わせをいただきました。

私の回答は、

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さて、「眼鏡フィッティングで、首コリが解消されますか」ということですが、結論から申しますと、コリの原因が眼鏡フィッティングのみであれば、適切なフィッティングでコリが解消されます。

しかし、その原因は多岐にわたることもあります。

眼に関することでは「斜位」もその一つです。
http://www.meganehamaya.biz/ganseihirou.html

白内障の手術をされているかたは、手術が原因で斜位になるかたも少なくありません。
http://www.meganehamaya.biz/hakunaisyou.html

ですから、「当店のフィッティング調整で首コリが解消できます」とは言い切れません。


A様のメールの一部が文字バケになっており読み取れないのですが、「左目が合っていなくて困っています」とおっしゃっていますので、原因はそれからきているのかも知れません。

いずれにしましても、メガネは作って試してみないと100%ことはわかりませんが(具合がいいかどうか)
当店でメガネをお作りいただく場合は、眼位(視軸の向き)を詳しく検査し、A様のお顔に合ったフレームのご提案をし、丁寧にフィッティング調整をしていきます。

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適切なメガネ調製で、めまい首コリなどの症状が緩和されることも少なくないのですが、慎重な回答をしました。

ご期待を裏切る結果になることもあるからですね。

これが「一度あなたの技術でメガネを作って試してみたい・・・」とおっしゃっていただければ、「精一杯やってみます・・・」とお答えします。

眼鏡調製は技術者によって、レベルの差が大きいのは間違いないのですが、息が合うかどうかも重要な要素です。

私の回答でA様がどう感じるか・・・・。

「解消できるかどうかわからない・・・なんて頼りない眼鏡士だ」と思われかも知れませんが、もし「解消できます!」と断言する技術者がいたら、その眼鏡士と息を合わせるのは難しいかも知れませんね。

エアーシリコンパッド

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↑「エアーシリコンパッド」というパッド(鼻当て)です。

パッド内のエア(空気)クッションにより、フレームの重さを分散できることができ、掛け心地が更に良くなります。また、この効果により通常のパッドに比べパッド跡が付きにくくなります。

 メーカーカタログより

メーカーは上記のように謳っていますが、パッドを交換しただけで掛け心地が良くなるとは限りません。

フィッティング調整が稚拙だと、パッドを交換してもダメでしょうね。

フレームの重さを分散する目的であれば、パッドの大きさなどが重要になってきます。

通常、大きいほうがフレーム重量が分散されるのですが、理論通りにいかないことは、ままあることです。

刺激の感じ方が人それぞれだからですね。

ということで、エアーシリコンパッドも実際に試してみないと具合がいいかどうかわかりません。

当店に在庫がありますから試してみてください・・・・。

日本眼鏡技術者協会の課題

日本眼鏡技術者協会「生涯教育 2016」より

●フィッティング調整

雑貨ではない医療用具としての眼鏡づくりを追求するためには、調整可能なフレームと、光学調整を中心とした調整技術の向上が最優先の課題である。

眼鏡技術者協会は、調整技術などを放棄した通販業者に対して、このように警告しています。

平成20年10月22日開催の「眼鏡技術者・認定資格制定委員会」において『認定眼鏡士が、眼鏡の通信販売・ネット販売を行っていることが判明した場合、本人に警告書を送付して、なお、改善されない場合は資格を取り消す事にする。』ことが取り決められました。
 認定眼鏡士の皆様は「眼鏡の通信販売・ネット販売」を行わないよう注意下さい。

しかし、平成28年、未だに認定眼鏡士の通販販売はやまっておりません。

これは協会の体制の問題でしょう。

警告書は出すが、あとはほったらかし・・・。面倒なことはしませんよ。会員の減少も困るし・・・。

こんなことでは、真面目に勉強している会員がバカを見ます。

認定眼鏡士の眼鏡技術向上のためには、協会の体制を改めることが最優先の課題ではないでしょうか。

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