抑制の事例 4
斜位眼は、プリズム眼鏡を掛けると眼位は変化します。(変化しない場合もあります)
人間という動物は変化を嫌う面もありますので、その眼位変化に戸惑うこともあります。
それが違和感として表れてきます。
違和感は時間的要素で解決することは少なくないのですが、どうしても馴染めないかたもいます。
そんな場合は、プリズム量を減らして掛けていただくなどの対応になります。
また、必要プリズムを「ディグリーフリップ」で作る方法もあります。
この方法は、遠用眼位と近用眼位が大きく違うかたにも有用です。
↑ディグリーフリップをつけて、プリズム入りメガネに。
プリズムレンズ+度つきレンズもできます。
↑跳ね上げてプリズムなしメガネに。ディグリーフリップは、取り外しも可能です。
近視で内斜位
そもそも近視のかたは、外斜位になりやすいです。
その理由は調節力と輻輳力のバランス(連動)が悪くなるからです。
近視のかたが、裸眼で近見視をすれば、正視のかたよりも調節力が少なめですみます。
近視度数や近見距離によっては無調節で近見視ができます。
調節機能を節約すれば、調節性輻輳の働きが悪くなり、眼位ズレが起きることがあります。
近視のかたは輻輳不全になりやすく、外斜位になる確率が高いです。
近視のかたには、多くのかたに多かれ少なかれ外斜位が存在する事実もあります。多少の外斜位があっても、内直筋の働きで問題のないかたも少なくありません。(内直筋の働きが弱いかたもいます)
「近視で軽い外斜位」は正常範囲と言ってもいいぐらいです。
しかし、「近視で内斜位」は問題が発生しやすいです。
・眼精疲労
・物が時々に二重に見える
・遠近感が悪くなる
など。
内斜位を補正する役目である外直筋の作用は、内直筋に比較して弱いからです。
脳は基本的に複視を避けようとしますが、力の弱い外直筋は悲鳴をあげます。
その悲鳴は身体の悲鳴に繋がります。
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<お知らせ>
浜田 清と久美は毎月第3回目の「水曜日」には、お休みをいただいています。
店は通常営業いたしますが、検査をご希望のかたは、「第3回目水曜以外の日」にお願いいたします。
今月の水曜日休みは「11月15日(水)」です。
抑制の事例 4
抑制を除去、防止するためのトレーニングの方法もご説明しました。
↑特殊なフィルターレンズを使用してトレーニングをします。
1日、10分~20分ぐらいの簡単なトレーニングで、抑制を防ぐ効果が期待できます。
↑プリズムレンズ
プリズムレンズを通過する光線は、基底(レンズの厚いほう)に進行方向が曲げられます。
像は頂角のほうにズレて見えています。
このプリズムの原理を応用し、右眼上斜位の場合、右眼レンズは基底が下に向く方向(ベースダウン)に、左眼レンズは基底が上に向く方向(ベースアップ)に入れます。
抑制の事例 4
選択肢として、
1、プリズム眼鏡はあきらめる
2、眼筋の手術をする
3、ビジョントレーニングをする
4、少な目のプリズム眼鏡から慣らしていく
5、適切なプリズムレンズを掛けてみる
があります。
1は、左眼が完全抑制をして、弱視になる恐れがあります。
2は、手術をしても正常な両眼視ができるかかどうかわかりませんし、リスクの高い手術は避けるべきです。
3は、上下斜位が強いかたには、トレーニングの効果は期待できません。
4は、プリズム眼鏡に馴染みやすくなるかも知れませんが、中途半端なプリズム矯正はかえって複視の発生を増やすことにもなりかねません。
5は、視機能にとって、もっとも良い選択です。
お話合いの結果、E様は5番を選ばれました。
調製度数
R S-2.00D 5.0△B.D.
L Sー2.00D C-0.25D Ax100 5.0△B.U.
プリズム眼鏡に慣れることに、時間がかかることも予想されます。徐々に慣れていただくようにアドバイスをしました。
抑制を除去、防止するためのトレーニングの方法もご説明しました。
抑制の事例 4
そもそも抑制とは、 脳が複視を嫌うので、複視を消すために網膜からの刺激を感受することを拒絶することです。
脳が混乱を避けるための防衛反応とも言えるもので、プリズムを入れることにより逆に脳が混乱する場合があるからです。
これが、順応性、適応能力に優れている十代のかたであれば、割合と早くプリズム眼鏡と仲良くなれるのですが、E様は30代後半です。
今まで、抑制していた時間が長ければ長いほどプリズム眼鏡とお付き合いすることが難しくなります。
E様もプリズム眼鏡を掛けると「ウッ、ウッ、ウッ」とおっしゃっていました。
ここで選択肢として、
1、プリズム眼鏡はあきらめる
2、眼筋の手術をする
3、ビジョントレーニングをする
4、少な目のプリズム眼鏡から慣らしていく
5、適切なプリズムレンズを掛けてみる
があります。
抑制の事例 4
E様 30歳代
「なんとなく違和感を覚える。寄り目ができない。物がズレるときがある」
5mでの基本度数は
R S-2.25D
L Sー2.25D C-0.25D Ax100
でした。
矯正視力は
R 1.2
L 1.0
左眼の矯正視力がやや弱いです
眼位(視軸の向き)は、右眼上斜位 10△~13△B.D.
検査方法によって斜位量も異なってきます。
これは、けっして珍しいことではなく融像刺激の違いによって、脳の反応も異なってくるからです。
プリズム矯正をすると両眼視はできるのですが、左眼が時々抑制します(間歇性抑制)。
今までお使いのメガネはプリズム矯正をしていなかったので、ほとんど左眼を抑制していたようです。
さて、E様の場合適切なプリズム矯正をすれば抑制が除去され、おそらく正常な両眼視まで持っていくことは可能なのですが、そのプリズム眼鏡を掛けられるかどうかが問題です。
「抑制除去訓練」事例3
メガネ調製半年後、定期検査に来店されました。
立体視が良くなっていました。抑制もなく眼位も安定するようになっていました。
「メガネを掛けることにより、視力も向上した感じがある」とおっしゃっていただけました。
良かったです(^u^)
近視矯正度数、プリズム度数、問題ないので、このままで使用してもらうことにしました。
ビジョントレーニングは、続けるようにお願いしました。
1年後、メガネを紛失されたとのことで来店されました。
今回、5mでの基本度数は
R S-4.00D C-0.25D Ax20
L Sー3.25D C-0.75D Ax180
でした。
やや、近視度数が進行していました。
成長期ですから、成長に伴う近視の進行は仕方ありません。
眼位検査では、前回矯正のプリズム度数でチェックしました。
すべての眼位検査で、抑制は検出されず、眼位も安定していました。
あきらかに、視機能は向上していました。
良かったです(^u^)
しかし、視機能トレーニングはしていなかったとのこと。
D様の場合、プリズム矯正で眼位が安定していたとしても、大きな眼位ズレがあるのには変わりありません。
眼位が不安定になる要素を含んでいる目ですから、またしっかりとトレーニングをするようにアドバイスをしました。
でも、D様に限らず、お子様にトレーニングをしていただくのは難しいです。
やはり、トレーニングは面倒ですし、親御様のご協力も限界がありますから。
私だって、子供のとき「虫歯になるから歯を磨け!」って言われても、面倒ですから、まともに歯を磨かず、歯医者にもなかなかいかなかったので、歯はボロボロになりました。
大人になって「親の言うことは聞いておくべきだった。歯は大事にしておくべきだった」と後悔しています。
目も成長期に高度な視機能を確立していないと、大人になって後悔することもあります。
D様には、引き続き視機能の大切さを訴えていきます。
「抑制除去訓練」事例3
抑制をしないような対策は必要です。
「遠視のかたは、内方向(鼻側)に眼位ズレがおきやすく、近視のかたは外方向(耳側)に眼位ズレがおきやすい」ということを頭に入れておいてください。
「遠方が見えづらくなったら、近視のメガネを掛ければそれでいい」ということではありません。
眼位に問題があると、視機能に大きな影響がでてくる恐れがあります。
親御様は、お子様の眼や動作に十分注意をしてください。
・眼つきがオカシイ
・眼を細めて見ている
・眼の動きがヘン
・集中力がない
・首を傾けて物を見ているようだ
などありましたら、眼位や屈折に問題が発生している可能性があります。
「抑制除去訓練」事例3
親御様には、眼球運動の確認もしていただくようにしました。
少しでも良質の視機能を確保するのは、今という時間がもの凄く大切です。
成長期が過ぎてからでは、斜視に対するトレーニングの効果も期待できなくなるし、プリズム矯正も難しくなります。
D様と親御様と、浜田 清と久美との共同作業で、頑張りましょう。
「抑制除去訓練」事例3
まず、D様の眼位の状態を詳しく親御様に説明しました。
アイパッドで眼球の動きを動画撮影して、交対性斜視であることを確認してもらい、親御様に実際に眼位ズレを疑似体験していただきました。
とにかく、何度も何度もしつこいぐらいに「斜視」の説明をし、斜視への理解を深めていただく努力をしました。
親御様のご協力なくして、斜視の矯正が成功(両眼視すること)するとは思えないからです。
プリズム矯正をすることにより、空間視の違和感を感じる場合もあります。
眼のトレーニングは楽しいものでもないし、トレーニングすることにより疲れることもあります。
そんな時、親御様の励ましや、共感が必要です。そうでないと、トレーニングも続きません。
調製度数は
R S-3.50D
L S-3.25D
の基本度数。
基本度数にしたのは、外斜位系のかたには調節と輻輳の関係でその方が好都合だからです。
プリズム矯正は、
R 5.00△ B.I.
L 5.00△ B.I.
で調製することになりました。
このプリズム量なら、掛けられそうだとのことでした。
(プリズム量は、二回の検査で決定しました)
D様には、視機能トレーニングを積極的にしていただくようにアドバイスをしました。
当店独自の簡易眼位検査道具をお渡しして、定期的な眼位チェックお願いしました。
「抑制除去訓練」事例3
十字テストや、濃いカラーレンズ法などで、眼位検査をしますと、19△~20△で、なんとか両眼視が可能でした。
両眼視といっても眼位がそのプリズムで安定するということはなく、不安定でした。
抑制をしたり、しなかったり、まばたきをすれば、また眼位が変動したりします。
その抑制に関しては、抑制が深ければ深いほど除去は困難になるのですが、D様の場合、抑制の程度は深くない。
年齢、斜視の方向、偏位量、抑制の程度、眼位異常が発生してからの期間、など総合的に検討すれば、今ならなんとかプリズム矯正と視機能トレーニングで、「両眼視まで持っていく可能性があるのでは」と判断しました。
斜視の眼を正常な両眼視まで持っていくのは、さまざまな困難があることも考えられます。
しかし、このままの状態で放置しておくと、将来的にD様が眼のことで困るのは100%間違いありません。
この矯正できるギリギリのチャンスを、みすみす無難で単純な近視矯正だけで済ましていいものか。
それで、D様には出来うる限りのことをやってみようと決心しました。
「抑制除去訓練」事例3
*交代性外斜視です。
交代性斜視とは、共働性斜視で、偏位眼が一定でなく、左右で交対するものです。
ある時は右眼は正位で、左眼が偏位します。
ある時は 左眼は正位で、左眼が偏位します。
親御様に「斜視の手術をしたことがありますか」とお訊きしましたら、「それは、ない」とのこと。
斜視があることは、認識されていませんでした。
ただ、親御様は目の異変には気がつかれていました。
「目が正面を向いていない感じがする」、「そういえば、物が二重に見えると言っていた」と。
また、首肩コリがあり、「子供なのに不思議だ」と思われていたそうです。
抑制の検査をバゴリーニ検査などでしてみますと、完全抑制はしていませんでした。
交対性斜視ですから、右眼と左眼の矯正視力も悪くありません。
立体視は、不良でした。
----------------------------------------
・ 抑制の検査
バゴリー線条レンズ法
日常視に最も近い環境において検査ができるため、その検査結果の信頼性が高い。
抑制があるのかどうか、抑制の程度はどうか。
交対性の抑制があるのかどうか
などが、この検査でわかります。
--------------------------------------
「抑制除去訓練」事例3
D様 12歳
5mでの基本度数は
R S-3.50D
L Sー3.25D
でした。
矯正視力は
R 1.2
L 1.2
眼位検査(カバーテスト)をしてみますと、あきらかに眼位異常があります。
・ カバーテスト
眼位ズレの検査に用いています。
斜位があるのかどうか
斜位なのか斜視なのか
眼位ズレの方向は
など、カバーテストは*両眼視の状態や異常を知る上で欠くことのできない検査です。
両眼視とは
両眼を使って、あたかも一つの眼で物を見ているように感じる機能です。
同時視、融像、立体視、深径覚などの機能があります。
「抑制をする前に」 事例2
抑制にならないために
眼鏡士としての使命で、抑制をしないように、
正常な視機能、正常な両眼視が行えるように、
高度な視機能が、確率できるように、
眼精疲労が、なくなるように、
パソコン作業が、楽にできるように、
車の運転が、安全にできるように、
精根を込めて、取り組んでいます。
しかし、「いかんともしがたい」という現実もあります。
眼位の説明をしても、「・・・・」の場合も多いし、「眼位ズレ」と言うと、ショックを受けるかたもいます。
トレーニングの必要性を訴えても、「???」となるし、訓練をしてくれないこともしょっちゅうあります。
そもそも抑制してしまったら、除去するのは困難なことが多いので、困難なことをやろうとするのは苦労がつきまといます。
それは、覚悟してやっているのですが、結果がよくないと恨まれます。
「訓練してもダメだった。浜田 清のバカヤロウ」と。
もっと、早期に「適切な矯正をしていれば」と思うこともありますが、そういうことに関して、一般のかたは関心が薄い。
だから、近見視力不良の子供がなくならない。
もっと、「子供の近見視力」、「眼位」、「屈折」に関心を持ってもらいたい。そう願います。
「抑制をする前に」 事例2
その後、「試験に合格しました」とご連絡をいただきました。 良かった。(^.^)
数年後、右眼の矯正視力が、0.7になっていました。
「とっても、具合が悪いし、怖い」とのことでした。
健眼の右眼が視力不良になっていました。これはとっても不自由です。
(もし、両眼の視力が正常であれば、片方の眼が見えていますから、そんなに不自由を感じなかったでしょう。)
眼科への受診をおすめめすると、診断結果は「白内障」でした。
結局、早期に白内障の手術をされて、眼内レンズを挿入されました。
術後は、矯正視力は1.0でていました。
白内障の手術は、リスクはゼロではありませんし、人工的な眼内レンズを入れることによるデメリットも生じてきます。
ですから、手術は早期にやればいいというものでもありません。
もし、左眼が抑制していなかったら、手術を遅らせる、もしくは手術は回避するという選択肢があったのではないでしょうか。
やはり、抑制することはよくないです。
「抑制をする前に」 事例2
C様は、抑制されてから何年もたっていますので、抑制除去は無理と判断しました。
C様は、深視力を必要としていました。
抑制をしているかたは、機能的な立体視がありません。(感覚的にはある場合もあります)
高度な視機能、高度な遠近感を要求される深視力は、抑制をしているかたにとっては非常に厳しい検査になります。
だけど、厳しいといっても大型免許がないともっと厳しいことになります。
C様には、深視力の訓練をしていただきました。
機能的には立体視がなくても、訓練することにより、感覚は鋭くなるので、徹底的に訓練をしていただきました。
深視力試験に合格するには、高度な遠近感を要求されます。
1に練習、2に練習・・・で高度な遠近感をつけていただきます。
片眼視力が不良で、立体視は困難でも、遠近感は単眼でも感じることができます。
こちらにもどうぞ→「深視力」
「抑制をする前に」事例2
C様
32歳のときにご来店
5mでの基本度数は
R S-6.50D C-1.75D Ax10
L Sー7.00D C-2.00D Ax75
矯正視力は
R 1.2
L 0.7
左眼の矯正視力が弱いです。
眼位(視軸の向き)は、
左眼斜視
左眼抑制
でした。
左眼は、子供の時に斜視の手術を2回されています。
しかし、成人してからも斜視のままです。
リスクのある手術を2回も受けているのに、斜視は治っていません。
術後の視機能はどうなっていたのでしょうか。
正常な両眼視機能が確率されていれば、再び斜視になることは少ないでしょう。
「正常」とまではいかなくて、不完全な視機能であっても、眼位を定期的に経過観察をし、適切に矯正していれば斜視は消えたのではないでしょうか。
もちろん、これらはC様の子供のときを知らない私の憶測にすぎないのですが。
いずれにしても、斜視の手術をしたからOKということは、ありません。
斜視の手術は受けても、両眼視機能が良くないと、また斜視になりやすいということです。
実際、当店のお客さんでもそういうかたは少なくありません。
「抑制しないように」事例1
今回、5mでの基本度数は
R S+2.00D C-0.50D Ax180
L S+2.50D C-0.50D Ax180
眼位は、
遠見眼位 6△B.O.
近見眼位 11△B.O.
近見での眼位ズレが大きくなっています。これは、いい傾向ではありません。
今回は近見での調節力をサポートするために、遠近累進設計のレンズを使用しました。
調製度数は、
R S+1.50D C-0.50D Ax180 ADD1.00 3.0△B.O.
L S+2.00D C-0.50D Ax180 ADD1・00 3.0△B.O.
さー、ここからです闘いは!(おおげさ)
A様にどうやって朝から晩まで、メガネを掛けていただくか。
視機能の詳細な説明だけでは、物足りないというのは前回で学習しました。
「そうだ!本人さんに、眼位を自覚してもらおう」と考え、簡易眼位測定器を作りました。
測定器ではメガネを掛けることにより、裸眼よりも眼位が整っていることが自覚できます。
そうすることにより、メガネを掛けることの意義がわかり、眼位ということにも、関心を持ってくれるでしょう。
熱い思いが伝わるでしょうか。
今後もA様とは、末永いお付き合いをしたいと思っています。
コンビネーションフレームとは
フレームの主要部分が、プラスチックと金属の組み合わせによって作られた眼鏡フレームです。
フロントとテンプルの骨組みが金属で、フロントの一部にプラスチックが組み合わされたフレームは、
「ブローラインフレーム」、「サーモントフレーム」などとも呼ばれます。
コンビネーションフレームは、お顔の印象をハッキリ見せたいかたに、おすすめのフレームです。
プラスチックの柔らかでカラフルなカラーを、メタル(金属)で引き締めます。
ブローラインフレームは、お顔の大事な部分である眉の変わりになります。
眉毛が薄くなったかたにもおすすめです。
MADE IN JAPANにこだわっている当店からのおすすめの日本製品メガネ。
<お知らせ>
浜田 清と久美は毎月第3回目の「水曜日」には、お休みをいただいています。
店は通常営業いたしますが、検査をご希望のかたは、「第3回目水曜以外の日」にお願いいたします。
今月の水曜日休みは「10月18日(水)」です。
お若いA様の場合、調節力が旺盛にあります。その調節機能を利用することにより、遠方の視力は良好です。
(遠視度数よりも、調節力が上回っています)
遠視のかたは遠方は見えている(遠視度数にもよります)ので、「遠方を見るのに、メガネの必要を感じない」ことがおこりがちです。
だから遠視の眼の矯正は難しい面があります。
眼の視機能は、近視眼よりも遠視眼のほうが視機能異常になりやすいです。
ですからA様にもしっかりと遠視の説明と眼位の説明をし、のちほど詳しい説明書も送りました。
視機能トレーニングのアドバイスもしました。
それから、2年が過ぎ、新しいメガネをお求めに来店されました。
「メガネは日常には掛けていなくて、近業の時だけ掛けていた」とのことです。
掛けたくない気持ちもわかります。やはり遠見視力が良好なかたに、メガネを掛けっぱなしにしていただくのは難しいです。
-----------------------------------------
遠視とは、眼が全く調節を行っていない(例えば無限遠方を見ている)ときに、眼に入る平行光線が網膜より後に結像してしまう状態をいいます。
この状態では、ものがハッキリと見えませんので、調節機能で焦点を網膜上にもってくるようになります。
常に毛様筋を使い眼が緊張しているため、眼が疲れやすくなります。
-----------------------------------
「抑制しないように」事例1
A様の眼は、両眼開放屈折検査で、両眼視機能を検査しました。
遠視ですから、余計な調節が入りこまないように配慮して検査をすすめていきました。
5mでの基本度数は
R S+1.75D C-0.25D Ax180
L S+2.50D C-0.25D Ax175
(SはSpherical、遠視、近視の球面度数。DはDioptre、曲光力、度数の単位。CはCylindrical、円注、乱視度数。
AxはAxis、乱視軸)
眼位(視軸の向き)は
左眼上斜位+内斜位がありました。
やはりというか、予想どおりというか、内斜位がけっこうあります。
斜位をプリズムで矯正すると、精密立体視は正常にできます。
調製度数は、
R S+1.25D C-0.25D Ax180 1.0△B.U.
L S+2.00D C-0.25D Ax175 3.0△B.O.
(△はPrism dioptre。BOはプリズムのベース方向)
できれば、5mでの基本度数で調製したかったのですが、その度数では「無限遠は裸眼に比較してややボヤケル」とのことで、度数を調整しました。
掛けやすくするために単焦点レンズで調製しました。
「抑制しないように」事例1
A様
2歳のときから遠視のメガネを掛けています。
R S+1.50D
L S+3.00D
*D=Dioptorie(度数の単位です)
この時は、お母さんが目が寄っているのに気付かれて眼科を受診しました。
発見が早くて良かったです。
何度か、遠視度数をやり替えて、
8歳の時です。調節性内斜視の為に、近見での輻輳力が少なくてすむように「遠近両用メガネ」の処方をされました。
R S+2.25D ADD+1.75
L S+2.75D ADD+1.75
この時、A様を担当された眼科医は、眼の状態をしっかり検査されて適切な処方をされました。
その後、中学生になったころ当店にお見えになりました。
お訊きしますと、「メガネは、最近掛けていません」とおっしゃいました。
それで遠視の説明、調節性内斜視の説明をし、「遠視のかたは、メガネを掛けたほうがいいです」と眼科受診をおすすめしました。
A様は眼科を受診されたのですが、眼科では「本人が掛けたくなければ、掛けなくてもいい」との診断でした。
えーえ、そんな!遠視で眼位ズレもあると思われるのに、マトモな検査もしないで掛けなくてもいいとは。
以前に、遠近両用を処方してくれた眼科を受診されたのですが、残念ながらその眼科医は退職されていました。
抑制への取り組み
抑制するということは、人間の持っている眼と脳の機能が失われます。抑制をしないように、
・遠見視力
・近見視力
・遠見眼位
・近見眼位
を常日頃から、確認しておくことが大切です。
屈折異常や眼位ズレ(斜位)があると、調節力と輻輳力のバランスが悪くなり、融像機能に負担がかかり、最終的には抑制をすることもあります。
特に、子供の「近見視力」に気をつけていないといけません。
近見視力が不良だと、学習能率が低下するなどの問題も生じ、弱視になる可能性もあるからです。
しかし、、近見視力不良は発見されづらいです。学校の視力検査が「遠見視力のみ」というの一つの要因です。
ご家庭でお子様の近見視力をしっかりとチェックしてください。
もし、お子様が
・本を読むときに、本に極端に目を近づける
・集中力がない
・目をこらしたり、目を細めて物を見ている
・いつもイライラしている
・文字が正しく書けない
・本の行を正しく追えない
などがありましたら、近見視力不良の疑いがあります。
当店の抑制に対する取り組みは、「抑制する前に、なんとかしたい」です。
それだけ、抑制を除去することは困難な場合が多いからです。
完全抑制して数年間過ごすと、抑制されたほうの目は、弱視にもなりやすく、弱視になれば抑制の除去はまず無理でしょう。
だけど、「弱い抑制」、「間歇性抑制」、「ある視距離では、両眼視できるかた」は、抑制を取り除く可能性があります。
・ 抑制の検査
バゴリーニ線条レンズ法
日常視に最も近い環境において検査ができるため、その検査結果の信頼性が高い。
抑制の有無を簡易に測定する方法もあります。
鉛筆かボールペンのようなもの2本を用意してください。できれば色違いを用意してください。
例えば、赤鉛筆と緑鉛筆を使い、左手で赤鉛筆を眼前約10㎝~15㎝位にセットし、右手をいっぱい伸ばした状態で緑鉛筆を持ってください。
最初に赤い鉛筆を見てください。1本に見えていますか。1本に見えていれば赤鉛筆を見ている状態(視線は赤鉛筆に合わしています)で、緑の鉛筆は何本に見えていますか。
2本に見えるはずです。
この実験は、簡単な両眼視の検査です。もし、赤鉛筆を見ている状態で、緑鉛筆がもし2本に見えていなければ両眼の連動が悪くて、両眼でモノをとらえていません。
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