メガネの心取り
単焦点レンズ(遠近両用でないレンズ)でメガネを作る場合、当店では近視のかたが常用のマイナスレンズ(凹レンズ)で作ることが一番多いです。
そのマイナスレンズについて「心取り」といいまして、メガネ調製にはかかすことのできない作業があります。
レンズには光心(光学中心)があります。普通、光心をそのかたのPD(瞳孔中心間距離)に合わせて調製します。この作業を「心取り」と呼びます。
もし、光心とPDが合っていないとどうなるか・・・・。
そもそも眼鏡レンズはプリズムレンズの集合体と言えますから、視線とPDが一致していないとプリズム作用が生じることになります。
プリズム作用が生じると、眼の筋肉がレンズの基底の方向に引っ張られることになります。
すると、眼は両眼の視線を注視点に合わせるために、引っ張られることに逆らうような眼球運動をすることになります。
・プリズム作用により眼の筋肉が外方向(耳側)に引っ張られた場合は、内方向(鼻側)に寄せる筋肉(輻湊力)を働かせます。
・プリズム作用により眼の筋肉が内方向に引っ張られた場合は、外方向に寄せる筋肉(開散力)を働かせます。
この眼球運動は眼の疲れを引き起こす恐れがあります。
また、プリズム作用は空間視の違和感を引き起こすこともあります。
このメガネ調製にとって、もの凄く大事な「心取り」をテキトーにやっているメガネ店もあります。
先日、レンズの注文をお受けしたかたの心取りは、酷かった・・・・。
強度近視(約S-10.00)のかたですけど、光心がPDよりも8mm広く入っていた・・・。
(このかたの眼位は、正常です)
「モノがムワッと見えて気持ち悪い・・・。眼がよる感じがする」と、そのメガネ店に訴えたそうですが、そのメガネ店は「間違っていません。慣れます・・・・」との返事だったとのこと。
な、なんじゃそりゃ!
こんなメガネに慣れたら大変なことになる・・・。眼の筋肉に相当な負担がかかり、眼精疲労が生じ、眼精疲労から不定愁訴を引き起こす恐れがでてきてしまう・・・。
結局、当店で正常な心取りをしたメガネにやりかえることになりました。
メガネは、光学的、力学的、美的要素が満たされていることが大事ですから、そういう点を考慮に入れてメガネ店を選んだほうがいいですね。
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