テレビの情報はテキトー?
「ウオース氏4点」という視標があります。
この視標は、一般的に右眼に赤色レンズ、左眼に緑色レンズを装用して使うものです。
右眼には、赤色の光点が見えるようになっています。(白色の光点は赤色のレンズで赤色に見えます)
左眼には、緑色の光点が見えるようになっています。。(白色の光点は緑色のレンズで緑色に見えます)
下の白光点は、
・赤に見える
・緑に見える
・赤と緑が交互に見える
・赤と緑が混ざった色のように見える
これらの見え方は、ウォース4点での検査は正常になります。
問題があるのは、「光点が5つ見える」などです。
この見え方は「複視 」なっている可能性があります。
逆に両眼で見ているのに、光点が2点しか見えない。
光点が3点しか見えない場合は「抑制 」している可能性があります。
なお、「ウォース氏4点が正常に見えていたら斜位 (隠れ斜視)はありません」と断定しているかたもいますが、それは間違っています。
ウォース氏4点が正常に見えていても斜位のある人は大勢います。
現に私もそうです。浜田 久美もそうです。
そもそもウォース氏4点視標は斜位のあるなしの判定に使用する視標ではありません。
この視標は複視や抑制のチェック、プリズム矯正をしての融像力検査などに使用するものです。
メガネ屋にとっては、ウォース氏4点は特に珍しい視標ではありません。
使い方も簡単で、上手に使えば視機能検査には有効です。
しかし、一般のかたが見たら不思議そうに見える視標でもって、「隠れ斜視」などの言葉を駆使して、「特別な検査、スーパー検査、デラックス検査、超ハイテク検査」などと言うのはオカシイと思います。
まぁ、そういうことをお店で言うのはご自由に・・・・と思いますが、影響力の強い媒体では言ってほしくありません。
「ウォース氏4点視標を使わないメガネ店はダメ!」と誤解されるかたもいますでしょうからね。
パフォーマンスもほどほどに・・・・。
視力表の中には、1mの前方に設置して、5mでの検査ができるものもあります。
↑接近ボックスの視力表
この視力表は周辺部の枠などで、感覚的に十分遠いという感じが起きないので、無用な調節がおきやすくなります。
当然、乱視や眼位も違った度数が出てくることがあります。
ビジョンテスターを利用して、接近ボックス視力表での屈折検査は、信頼がおけないと思います。
この視力表なども一般のかたが見たら、不思議そうな器械なので、「ハイテク視力表」などと宣伝するメガネ屋がいるかも知れません。
テレビで「この視力表で長時間検査するから、当店は優れています!」と。
・・・・・・テレビの情報はテキトーなものも多いですね。
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