眼科処方のメガネが見えづらい 20
眼鏡新聞 「メガネ相談」
今週号にも眼鏡処方箋がらみの相談が載っていました。
極度の近視で乱視もあり、作ったメガネはかけられず、くらくらしてしまう。
処方箋で作ったが、医者より眼鏡店で作った方が良かったこともある。
極度というのは強度のことでしょう。
強度近視のかたの検査は通常の検査よりも難易度が高くなります。
頂間距離 にもシビアに留意しないといけないし、光学的斜位が検出されないようにしないといけません。
強度近視のかたは、頂間距離によって矯正効果も大きく変動します。
眼科で測定した頂間距離と実際に調製したメガネの頂間距離が違えば、見え方なども変わるということです。
ですから、それを防ぐには調製する枠を先に決めて、その枠での頂間距離に極力近い状態になるようにテストレンズをテスト枠にセットして、検査から装用テストまで行ったほうがいいのです。
でも眼科ではそういうことはできません。
だから眼科処方での見え方などのクレームが寄せられるのですね。
光学的斜位とはテスト枠と目の位置関係が適切でなく、それにより斜位が検出されることです。
テストフレームでの検査は、まずお客様のお顔に合わせて、テストフレームの調節(セッティング)をしていきます。
この作業は重要です。テストフレームが適切な位置にセッティングされていないと、正確な検査ができません。
当店が使用しているテストフレームは
・左右PD
・前傾角
・鼻幅、角度
・テンプル長
の調節ができるようになっています。
←テストフレームを調節して正しいセッティングをしていきます。
そもそもレンズはプリズムの集合体ですから、そういったことがおきるのです。
ま、もっとも眼科では眼位の検査を細かくしているところは少ないですが・・・。
だから、眼科処方では「なんだか焦点が合いづらい。疲れる・・」というクレームになりやすいです。
相談者のかたは「眼鏡店の方が良かったこともある」と言っているということは、いくつかメガネを作って、眼科の方が良かったこともあるのでしょう。
それはそうでしょうね。
眼鏡店のレベルの差は大きく、極端に低レベルなメガネ店もあります。
特に検査とフィティング調製技術は店によって大きく差があります。
商売熱心にやっている店が技術が高いというわけではなく、テレビで宣伝しているから大丈夫ということもありません。
ですからその点では「眼鏡店処方のほうが絶対にいいです」とは言えません。
強度近視のご相談は強度近視のことを真面目に勉強している「ウスカル会 」の会員店にどうぞ。
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