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眼科処方のメガネが見えづらい 16

「眼鏡処方箋でメガネを作ったが見えづらい」

屈折検査(遠視、近視、乱視の検査)や、眼位(視軸の向き)検査では、過度の緊張は検査結果に影響を及ぼす恐れがでてきます。

緊張の影響は調節に、調節は輻輳に連鎖していきます。

つまり、「いかに過度の緊張させないようにするかが、メガネ度数測定のミソです」

ということもいえるのです。

では、メガネ店での検査と眼科の検査ではどちらが緊張しやすいでしょうか?

それは眼科でしょう・・・・。

だって、眼科では患者で、メガネ屋ではお客様になるのですから、自ずと立場が違ってきます。

偉い人の前では緊張しやすくなるのが普通です。

しっかり答えないと怒られる、素早く反応しないとイライラされる・・・と思うことが緊張を呼ぶわけです。

また、早くしないと次の患者さんに申し訳ない・・・と思うこともあるかも知れません。

本当は良く見えていないのに、気をつかって「見えます!」ということもあるでしょう。

心理的な要素で「見えたような気がした」というのも聞いたことがあります。

病院は「日常とは違う不自然な場」で、

環境が違えば度数も違ってくる可能性もありえます。

おそらく「眼科処方箋で作ったメガネが見えづらい」ことの原因の一つにそういうこともあるでしょう。

次に、では検査員はどちらが緊張しやすいでしょうか?

それは、もう圧倒的にメガネ屋でしょう。

私は眼科での検査員の経験もありますから、ハッキリそう言えます。

メガネ屋ではノロノロ検査をしていたり、あいまいな質問をすると「なにやってるの!兄ちゃん」と罵声が飛んできます。

(まぁ、私もベテラン(年がいって)になって最近はほとんどないのですが・・・)

では、検査員の緊張は検査結果に影響を及ぼすでしょうか?

はい、影響を及ぼします。でも悪い影響ではなく良い影響です。

メガネ屋初心者のころは、悪い影響になっていたと思いますが、経験を重ねる内に良い影響に変えるテクニックが身についてくるのですね。

緊張=集中ですね。ベテランの味とでもいいましょうか・・・

眼科では検査員が罵声を浴びせられることも少なく、自分のペースで検査をすることができます。(すべてではありません)

その点では緊張感は少なくてすみます。

また、処方でクレームになったとしても「無料でレンズ交換 」をしてくれるメガネ屋が存在します。

「処方はおおざっぱでいいや、再処方しても痛くも痒くもなし、再処方することにより眼科に利益もでるし・・・」という気持ちが芽生えてくるかも知れません。

無料補償交換制度がユーザー本位の制度とは、とても思えません。

そうなると真剣勝負をしているメガネ屋と比較しましと、どうしても緊張感が希薄になります。

緊張感なし=集中力なし。

「検査員の意識が違えば度数も違ってきます」

「眼科処方箋で作ったメガネが見えづらい」ことの原因の一つにそういうこともあるかも知れません。

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