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眼科処方のメガネが見えづらい 23

「眼鏡処方箋でメガネを作ったが見えづらい」

日本眼鏡技術者協会 会報より

消費者の眼鏡相談

眼科での処方箋をもってメガネ屋にいったが、そこで測定した度数のほうが見やすかった。

 店からはもう一度眼科で処方箋を貰ってくるように言われたが、メガネ屋でメガネを調製してほしかった・・・。

という内容です。

回答は、

今回のお店の対応は間違っておりません。再度眼科を受診をお奨めします。

といいうものでした。

「再度眼科受診を・・・・」ですか・・・・・。

認定眼鏡士の倫理綱領には、

1.認定眼鏡士は、常に生活者の視力の保護を第一義に考えて行動する。

2.認定眼鏡士は、生活者により良いビジョンケアを提供するため、可能な限りの配慮と努力を尽くす。

というものがあります。

つまり眼鏡士は「ユーザー本位に考えて行動せよ」ということでしょう。

ならば「ユーザー本位の考え方」と「再度眼科受診を薦める」は矛盾してませんか・・・・?

このメガネ屋さんは、消費者の求めに応じて屈折検査をしたのか、それとも処方箋に疑問を感じたので、再検査を促したのか・・・・。

おそらく、前者だと思います。

眼科処方箋度数をテスト枠にセットして、視力表などを見ていただくと、

「なんだか、見えづらい感じがします。オタクでもう一度検査してくれませんか」

と言われ、屈折検査をしたのでしょう。

すると、眼科処方箋よりもユーザーが納得できるような度数が見つかった。

しかし、店の方針は「処方箋絶対尊重主義」なので仕方なく「再度、眼科へ・・・」と言った。

と、推測します。

まぁ、店の方針に逆らうことは難しいです・・・。

でも、これはユーザー本位の対応とはいえないと思います。

眼鏡士としての対応をするのであれば、「では、当店で検査した度数で調製しましょうか。ご安心ください眼科には眼鏡調製報告書を出しておきます」

とするのが理想だと私は思うのですが・・・。

処方箋を尊重するのはわかりますけど、対応次第では「損重」にもなりかねません。

・ユーザーが再度眼科へいくこと

・再検査の料金を払うこと

・再度眼科に行っても、眼科的には「度数は合ってます」と言われる

・再度処方箋を発行してもらっても、またよく見えない度数になる恐れもある

これだけの損、もしくはリスクをユーザーに課すことになってもいのですか?

おそらくこのお客様は眼科での検査に不安もあったのではないでしょう。

それで、「オタクでも検査を」と申し出たのだと思います。

(当店でもちょくちょくあることですから・・・)

だったら、お客様のご希望を尊重されたほうが眼鏡士の倫理綱領にも沿う形になるのではないでしょうか。

もちろん治療を目的とするような眼鏡処方であれば、再度眼科受診をすすめるのは当然です。

医療に眼鏡士はタッチできませんから。

まぁ、だけど今回の回答は消費者にしたものであり「たてまえ」が入っているかも知れませんが・・・・。

      つづく

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