眼鏡技術専門学校 9
病院研修 2
病院研修にいったのは、もう約40年前です。
そのころは「オートレフ 」はありません。他覚値検査は主にレチノスコープで行っていました。
オートレフはスイッチを押すことで、メガネデータが出てきますが(誰でもできる)、レチノスコープはそういう訳にはいきません。
熟練の技を必要とします。
病院でのメガネ調製のための屈折検査は、
まず、先生がレチノスコープ検査をし、データをカルテに書きます。
そのデータ度数を基に、研修生(検査員)が、前後の度数を入れて視力のチェックをします。
たとえば、
S-3.00D C-1.00D Ax180
(Sは近視度数、Dは度数の単位、Cは乱視度数、AXは乱視軸方向)
と書いていれば、
(0.7×S-2.00D C-1.00D Ax180)
(0.8×S-2.50D C-1.00D Ax180)
(0.9×S-2.75D C-1.00D Ax180)
(1.2×S-3.00D C-1.00D Ax180)
(1.2×S-3.25D C-1.00D Ax180)
(1.0×S-3.50D C-1.00D Ax180)
(0.8×S-3.75D C-1.00D Ax180)
という感じで、カルテに記入します。
そのデータを基に先生が「これ!」と指示をくれます。
指示度数で装用テストをし、患者さんがOKであれば、その度数が眼鏡処方箋に記入されます。
乱視の自覚的検査は、ほぼなし・・・・。
検査員に求められるもの視力検査のテクニックであって、屈折検査は必要なかったのですね。
それだけ「レチノスコープ検査の精度は高かった・・・」ということも言えるのですが、快適に掛けられるメガネ調製の基本は自覚的屈折検査ですから、その精度は低かった・・・・。
看護婦さん(検査員さん)から「浜田さん乱視ってなに?」という質問を受けたことを覚えています。
「え、え、え・・・・」と思いましたが、病院で必要なのは病気に関する知識であって、病気ではない屈折異常には関心がないのですね・・・・。
ま、昔のことなのですが、「病院の本職は病気を治すこと」は今もおなじようなものでしょう・・・・。
「日本眼鏡技術専門学校の話」カテゴリの記事
- 日本眼鏡技術専門学校 閉校(2021.10.02)
- 眼鏡技術専門学校 22(2017.05.14)
- 眼鏡技術専門学校 21(2017.05.02)
- 眼鏡技術専門学校 20(2017.04.26)
- 眼鏡技術専門学校 19(2017.04.22)
コメント