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遠近累進眼鏡の報告書

あるレンズメーカーのセミナーで、

眼科発行の処方箋で遠近累進メガネを調製した場合、「医科向け報告書」をお渡しすることを勧められました。

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この報告書は、「眼科とのトラブルは避けましょう」という提案ですね。

たいていの眼科は病気の発見、治療が本職ですから、遠近累進の知識に疎いです。

遠近累進度数をレンズメーター(度数を測るもの)で正確に測定することはメガネ屋でも困難な場合があります。

ましてや眼科では・・・。

ですから、「処方度数と違います!」などと、いらぬ疑いをかけられないように「先手を打って、報告しましょう」ということですね。

でも、なんだかこの方法もモヤモヤしてしまう。

だって、そもそも遠近累進でチェックしないといけないのは、「レイアウトが正確(適切)にできているかどうか」です。

調製度数を間違えることは滅多にないでしょう。

だから報告するとすれば、

たとえばPD(瞳孔間距離)のレイアウトでは、たいていの眼科は「遠用PD○○㎝、近用PD○○㎝」と単焦点レンズ(遠近両用ではないレンズ)用のPDが記載されています。

このPD通りに遠近累進を調製するのは、通常マズイです。

なので、遠用PDが「66mm」と記載されていれば、

PDに関しましては、ほとんどの場合左右でPDが違います。

単焦点レンズの場合は、左右の合計PD66mmを等分して調製しても問題ない場合も多いうのですが、遠近累進レンズはそれではよくありません。

左右別々にキッチリとPDを設定しないと具合が悪くなる恐れがあります。

それは、累進レンズの特性により右眼の設計と左眼の設計とは別になっており、両眼視を考慮すると両眼共通視野が広くなるように設計されているからです。

ゆえに右眼なら右眼のPD、左眼なら左眼のPDで、遠用アイポイントに正確に調製します。

近用アイポイント問題ないかも確認をします。

まれに左右で輻輳力がかなり違うかたがおられますが、そんな場合は度数や遠用、近用などの使用頻度によってもPDを調製します。

今回、患者様に選んでいただいたフレームに合わせて、当店で測定したPDで調製させていただきました。

という感じで報告すればいいと思いますが、この報告は「処方通りに作っていない!」とお叱りを受ける恐れもあります。

商売的にはおすすめできません・・・・。

 

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