レッドグリーンテスト
屈折検査に「レッドグリーンテスト」があります。
この検査は各波長により屈折率が異なり「結像位置にずれが生じる色収差」を利用したものです。
赤色視標の二重丸(数字)と緑色の二重丸が同じ見え方であれば「正視」
赤色二重丸>緑色二重丸であれば「近視」
赤色二重丸<緑色二重丸であれば「遠視」
と判断します。
簡単に判断できるので、多用している検者も多いと思います。
私も利用しています。
(私は主に乱視検査の前に球面度数をチェックするために使います)
でもこの検査、視力標や検査環境などによって精度が左右される面もあります。
この検査だけで「近視」と決めることは、ちょっとマズイ・・・・。
「調節」が介入している可能性があるからです。
遠視眼でも調節が介入すれば、「赤がハッキリ見えます」と答えることがあります。
つまり調節との関係で「赤がハッキリは信頼度が低く、緑ハッキリは信頼度は高い」ということがいえます。
また、調節が介入しやすい「接近ボックス視力表」はレッドグリーンテストには信頼がおけません。
視力表の中には1mの前方に設置して、5mでの検査ができるものもあります。
この視力表は周辺部の枠などで、感覚的に十分遠いという感じ(5mのイメージ)が起きづらいです。
すると無用な調節がおきやすくなります。
当然、乱視や眼位も違った度数が出てくることがあります。
ビジョンテスターを利用して接近ボックス視力表での屈折検査は、信頼がおけないです。
不自然な「単眼視検査」も調節の影響を受けやすくなります。
その点、「両眼開放」での検査は調節の影響が少なくなります。
特殊なフィルターで、両眼を開けたまま、右眼には上の二重丸、左眼には下の二重丸が見えるようになっています。
信頼度が高いのは「両眼開放レッドグリーンテスト」です。
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