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眼科発行の眼鏡処方箋。「眼鏡度数変更可能です」と。

遠近累進メガネをご希望のお客様

眼科発行の眼鏡処方箋をご持参されました。

その処方箋には、

遠用度数、近用度数、PD(瞳孔間距離)が記入されています。

備考欄には、

「眼鏡度数変更可能です」と書かれています。

これは眼鏡技術者にとって、何とも嬉しいご指示です。

お客様の用途用法に応じてメガネ調製ができるからです。

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そもそも遠近累進レンズは、各メーカーによって設計が異なります。累進面を外面にもってきたものや、内面にもってきたもの、外面内面に複合したものまであります。

累進帯長も8mm~20mmぐらいまでさまざまな種類があります。

遠近両用累進レンズの処方は、遠用度数と近用度数を眼位、調節バランスも含めてキッチリと検査した上で、遠近累進の種類や眼鏡ユーザーの用途などに応じて「遠近累進遠用度数」を設定して、累進帯長や眼鏡ユーザーの使用目的、使用距離などに応じて「遠近累進加入度数(近用度数)」を設定していくほうが望ましいです。

もちろん、この方法が正しくても、だからと言って、100%完璧な処方度数になるとは言い切れません。

しかし、遠近累進レンズの処方はより細かい配慮が必要ですから、遠用と近用だけを測定した処方では上手くいかない確率が高くなります。

 そういう細かい作業は眼科さんでは難しい点があるかと思います。

各社の遠近累進テストレンズを取り揃えるのも難しいと思いますし、各社の累進レンズの特性などをすべて把握するのも困難です。(当方も自店取り扱いの累進レンズ以外はよくわかりません)

もし眼科さんが累進レンズをある程度揃えて、レンズを指定したとしましても、指定レンズ取り扱いのメガネ店しかいけなくなり、そうするとレンズの累進帯に応じたフレームまで指定しなくてはいけないことになります。

そんなことは眼鏡ユーザーには不便ですし、現実的ではないと思います。

また、眼鏡ユーザーが天地幅28mm以下のフレームをご希望の場合は、必然的に累進帯の短いタイプを選ばざるを得なくなります。

当然、その場合はご希望のフレームに応じた、短いタイプ用の度数設定になります。

頂間距離によっても、度数を調製する必要もあります。頂間距離によって累進帯の横幅の視野が異なってきます。

たとえば、フレームの種類やユーザーの鼻の高さによって、頂間距離が10mm前後~14mm前後になることがありますが、10mmよりも14mmのほうが視野が狭くなりますので、加入度数を弱めたり、累進帯の長いタイプを選んだりの配慮がいります。

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ユーザー本位に考える眼科さんも増えてきています。

先日も「メガネを作るなら目的とか色々と相談できる所で検査して作ってください」と眼科でアドバイスをされたお客様がご来店されました。

眼科さんの期待に答えるためにも、眼鏡士として頑張ります!

もう眼科本位で「無料保証のメガネ店へ行くようにを強くすすめる」は時代遅れでしょう・・・・。

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