« 近視について 21 | トップページ | 無料商法 »

近視について 22

■事例

A様 強度近視のかたです。
右眼 S-10.50D
左眼 S-9.75D

のメガネを持参されました。
「このメガネを掛けると、物がムワッと見えて気持ちが悪い。眼がよるような感じがします」と訴えられました。
当店でメガネの検査をしてみると、光心が69mmで入っていました。

え、え・・・・69mm!
A様のPDは、61.5mmです。眼位は正常です。(最近、当店で眼位の検査をしています)

度数が約S-10.00Dで、光心がPDよりも7.5mm広く入っていると。
計算は簡単です。10.0DでPDよりも光心が1mm違えば、約1△のプリズム作用が生じます。
7.5mmの誤差では、約7.5△のプリズム作用が生じることになります。

眼鏡調製においては、光心をPD通りに寸分も違わずに入れることは、現実には不可能です。
0.1mmの誤差も許さないということであれば、メガネは作れません。

では、どれぐらいの誤差なら許されるか、許容誤差は。

水平方向への許容誤差は、10.0Dでは問題の大きい方向(開散を強いる方向への誤差)は、「0.5△まで」という目安が存在しています。(RAL規格)
問題の少ない方向へは、1.0△です。
つまり、S-10,0Dでは、PDよりも光心が1mmぐらいは狭く入ってもいいけど、「0.5mm以上、広く入るのはダメ」ということです。
(もちろん、61.5mmで入ることが最良です)



 

<↑光心がPDよりも広く入った場合、基底内方になりプリズム作用は鼻側方向に生じます。
結果、開散力が強要されることになります>

問題の大きい方向への7.5△の誤差は、規格外も規格外、無茶苦茶です。

A様は、そのメガネを購入したメガネ店に具合の悪さを訴えたそうですが、そのメガネ店は「間違っていません。慣れます」との返事だったとのこと。


「間違っていない・・・」、眼鏡技術者であれば、「あきらかに問題があるメガネ」と認識すると思います。
そういう認識がなかったということは、眼鏡技術者でなく、眼鏡商人だったのでしょうか。

「慣れます・・・」、人間は順応性がありますから、掛けられるぐらいには慣れていく可能性はありますが、こんなメガネに慣れたら大変なことになります。
眼の筋肉に相当な負担がかかり、眼精疲労が生じ、眼精疲労から不定愁訴を引き起こす恐れがでてきてしまうでしょう。

 

« 近視について 21 | トップページ | 無料商法 »

目の話」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 近視について 21 | トップページ | 無料商法 »

最近のトラックバック