メガネ屋の保証とは?
眼鏡処方箋に関して「メガネ屋さんに保証の事を訊いてください」と患者さんにアドバイスをする眼科があります。
昨日もありました。
「保証を訊きなさい」ということは、おそらく「無料レンズ交換」の有無でメガネ屋を選択しましょう・・・と言いたいのでしょう。
このアドバイス、「眼鏡技術者の店ではなく、眼鏡商人の店で作りなさい」というのは、本当に患者さんのためになっているのでしょうか・・・?
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眼科医師の中には、メガネ調製に関して「まず、無料保証ありき」で、そのことのみを強調して、保証のあるなし、またはその期間でメガネ店を選択するように指導されています。
しかし、眼科では結果的に無意味だった目の訓練や、治療効果のなかった薬でも無料保証することはありません。
これは、医療ですから仕方がないことだと思います。
同じように、眼科によるメガネの矯正も治療の一環という姿勢だと思いますが(近視、遠視、乱視、は病気ではありませんが)なぜ、目の訓練や薬と違ってメガネだけに無料保証制度を求めるのでしょうか。
これが、本当にお客様のためになっているのでしょうか。
無料でするもしないも商売上の方針ですから、店によって方針は異なります。
なんでもかんでも無料にすることは、秩序が乱れ、弊害もどこかで生じて、倫理的にもお客様のためにもよくないと考える店はやらないでしょう
ある眼科は、「6ヶ月の無料保証の店」を推奨しているようですが、民間の企業は適正な利益を出していかないと運営はできませんし、良いサービスの提供もできません。
その民間のメガネ屋が半年もの長い期間、しかも、その期間なら何度でも無料保証(きっちりした規定を設けていなければ、何度でも交換可能ということになります)をするとなると、それなりの損をしない「仕組み」を作っていきますから、無料保証制度がお客様にとりまして経済的に有利ということは一概にいえません。
ましてや個々の店で価格も技術力も経営姿勢も違います。
無料保証のことのみでメガネ店を判断されるようになりますと、メガネ業界はドンドン悪くなり、結果、眼鏡士の魂をすてた眼鏡商人が増えることになって、国民の不利益に繋がってくるのではないでしょうか。
消費者本位の「仕組み」を構築していかなかった「士」の魂を捨てた、某建築士の事件は記憶に新しいところです。
無料保証を長期間やっている店が良いメガネ店で、無料保証をやらない店は悪いメガネ店ということはありません。
一般のお客様は、そこまで深く考えるかたは少ないので、一見すると無料保証は安心保証のように感じますが、安心だけではなく、安心の裏には不安もあることをわかっていただきたいです。
これは、メガネ業界に限らずどの業界にもいえることだと思います。
けっして、眼科に媚びを売る店が安心という保証はありません。
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ま、だけど「無料保証のメガネ屋に行きなさい!」と強引な言い方をする眼科は減っています。
なお、当店はお買い上げ後一年間の保証制度は設けていますが、弊害も多い「無料」はやっておりません。
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