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■事例
A様 強度近視のかたです。
右眼 S-10.50D
左眼 S-9.75D
のメガネを持参されました。
「このメガネを掛けると、物がムワッと見えて気持ちが悪い。眼がよるような感じがします」と訴えられました。
当店でメガネの検査をしてみると、光心が69mmで入っていました。
え、え・・・・69mm!
A様のPDは、61.5mmです。眼位は正常です。(最近、当店で眼位の検査をしています)
度数が約S-10.00Dで、光心がPDよりも7.5mm広く入っていると。
計算は簡単です。10.0DでPDよりも光心が1mm違えば、約1△のプリズム作用が生じます。
7.5mmの誤差では、約7.5△のプリズム作用が生じることになります。
プリズムを通った光が1m先で1㎝ずれる場合のプリズムの強さが1△(プリズム)です。
光心の上下位置が合っていないと上下のプリズム誤差が発生します。
結果、眼が疲れやすくなります。
眼の位置が左右で違うかたも少なくありません。適切な位置に光心が入らないと上下のプリズム誤差が発生します。結果、眼が疲れやすくなります。
眼精疲労や原因不明の首、肩コリや片頭痛など、眼鏡の心取りに問題がある場合があります。
いい加減な心取りをしている売上第一主義のメガネ店も少なくありません。
眼の健康や身体の健康には、技術優先のメガネ店でメガネを調製してください。
メガネの通販はハナから適切な心取りはできません。
■適切な心取りとは
しかし外斜位があれば、「常に光心はPDよりも広くいれればいい」というわけではありません。眼位が修正されたとしても、光心を広く入れることによる空間視の違和感で気分の悪いメガネになることもあります。
ですから心取りはいろんな点を考慮に入れて調製していきます。
・斜位の程度はどうなのか。
・眼の疲れはどうなのか。
・輻湊力、開散力はどれぐらいあるのか。
・メガネの使用目的はどうなのか。
・空間視の違和感を感じやすいのか。
・前のメガネのPD光心はどうだったか。
など、お客様との共同作業で適切な心取りをしていきます。
では、最も不適切な心取りとは。
強度近視で、光心の上下位置が適切でない場合です。
それは、人間の眼の眼球運動は「上下方向は、水平方向に比較して柔軟には動きません」ゆえに、上下プリズム誤差が生じると眼の疲れる確率がグッと高くなるからです。
■眼位を考慮に入れた心取り
光心をPDよりも広く入れることにより、基底内方のプリズム作用は鼻側方向に働きます。
結果、外斜位のあるかたの輻湊力が緩和されます。
光心をPDよりも狭く入れることにより、基底外方のプリズム作用は耳側方向に働きます。
結果、内斜位のあるかたの開散力が緩和されます。
眼位を考慮に入れた「心取り」はレンズの光学中心の位置は、目の瞳孔中心の位置とは異なる場所に来るようになります。(それだからこそ、プリズム効果が期待できるのです)
もし、「眼位」の知識のないメガネ店や眼科(ほとんどの眼科は光学的知識には疎いです)が、このレンズを見た場合、「光学中心が合っていない」と言っても、それは日頃「眼位を考慮に入れた心取り」をしていない(できない)もしくは、眼位検査をしていない。はたまたメガネ屋の悪口を言いたいだけ・・・・かも知れません。
■眼位を考慮に入れた心取り
常用マイナスレンズはプリズム作用やレンズ収差の影響を極力受けないように、光心をPD通りに入れるのが基本なのですが、斜位(眼位ズレ)のあるかたの場合の心取りは、斜位を考慮に入れた心取りをしていきます。
外斜位のあるかたは外方向に眼位ズレがありますから、輻湊力を常に働かせて両眼の視線を注視点に合わせます。
これでは輻湊力の弱いかたなどは眼が疲れますので、プリズム作用が内方向に働く心取りをして眼球運動が楽に行えるように、眼位を修正します。
内斜位のあるかたは、外方向に働くプリズム作用を利用します。
たとえば、度数がS-5.00D、PDが62mmで外斜位のあるかたに、光心を64mmに入れることによって眼位ズレが1△修正されることになります。
で、なんと2年連続での1位が「いの町」だとか。
1位になった評価に
「いの町」は県中央部に位置し、高知市や愛媛県西条市などと隣接しています。都市部から近い立地にもかかわらず、国内でも有数の水質評価を得る仁淀川(によどがわ)や、国定公園でもある石鎚山系など自然景観に恵まれた環境にあります 。
と書かれています。
これって、凄くないですか。いの町は隣接している高知市とは遠く離れた愛媛県西条市とも隣接しています。
それだけいの町は広~い!のです。
ということは立地的に都市部から遠い「いの町」もありますが、その地域は自然の宝庫です。
「にこ淵」もあります。
で、いの町でも最も便利なのが、メガネのハマヤもある「新町」界隈です。
電車、JR、バス、タクシー、スーパーマーケットが近くにあり、
病院は、
整形外科、眼科、耳鼻科、歯科があります。
みなさん、いの町にいらっしゃい・・・・。(^^)/
ブックアームスタンド(書見台)を購入しました。
この道具、思っていた以上に快適!
本が読みやすくなって、腕も楽。
首、肩の緊張が少なくなって、目の疲れも和らぐ感じがあります。
メガネの調製は明視距離(ブックスタンド)に合わせた「読書用メガネ(老眼鏡)」が楽です。(老眼のかた)
本を読みながらの「ごっくん馬路村」が一段と美味くなった(^^)/
光心がPDよりも広く入った場合、基底内方になりプリズム作用は鼻側方向に生じます。
結果、開散力が強要されることになります。
光心がPDよりも狭く入った場合、基底外方になりプリズム作用は耳側方向に生じます。
結果、輻輳力が強要されることになります。
■眼鏡加工調製の問題点
常用マイナスレンズの心取りは「光心とPDが寸分違わず一致」というのが理想なのですが、メガネ加工の精度上、どうしても多少の誤差がでてきます。
もし、0.1mmでも誤差があればダメということになれば、事実上メガネ調製はできなくなります。
それでは許容誤差はどうなのかといいますと、それは度数や人間の持っている眼球運動の特性によって許容範囲が違ってきます。
人間の眼球運動は
眼の筋肉を内寄せする輻湊力は強く、外寄せする開散力は弱くなっています。
ということは、許容範囲は輻湊力が強要されるよりも開散力が強要される方が狭いということです。
たとえば、PDが60mmで光心が59mmで入った場合と61mmで入ったと場合を比較しますと、輻湊力を強要される方の59mmに入った方がマシだということがいえます。
61mmで入った場合は、眼が疲れる確率が高くなります。
プリズムを通過する光線は、基底の方(レンズの厚い方)に進行方向が曲げられます。
これをプリズム作用といいます。
プリズムレンズの基底の方向によって像のズレかたが違います。(像は頂角の方にズレて見えます)
マイナスレンズを半分に切ったものです。レンズ中心部よりレンズ周辺部の方がレンズは厚くなっているのがおわかりいただけると思います。 ↓
眼鏡レンズはプリズムの集合体と言えます。光心を通過する光線にはプリズム作用は生じません。
両眼の瞳孔中心間距離(pupillary distance)を略してPDと呼んでいます。
PDと眼鏡レンズの光心が一致することによりプリズム誤差は生じません。
常用マイナスレンズの心取り
単焦点レンズ(遠近両用でないレンズ)でメガネを作る場合、当店では近視のかたが常用のマイナスレンズ(凹レンズ)で作ることが一番多いです。
そのマイナスレンズについて「心取り」といいまして、メガネ調製にはかかすことのできない作業があります。
レンズには光心(光学中心)があります。普通、光心をそのかたのPD(瞳孔中心間距離)に合わせて調製します。この作業を「心取り」と呼びます。
もし、光心とPDが合っていないとどうなるか。
そもそも眼鏡レンズはプリズムレンズの集合体と言えますから、視線とPDが一致していないとプリズム作用が生じます。
プリズム作用が生じると、眼の筋肉がレンズの基底の方向に引っ張られることになります。
すると、眼は両眼の視線を注視点に合わせるために、引っ張られることに逆らうような眼球運動をします。
・プリズム作用により眼の筋肉が外方向(耳側)に引っ張られた場合は、内方向(鼻側)に寄せる筋肉(輻湊力)を働かせます。
・プリズム作用により眼の筋肉が内方向に引っ張られた場合は、外方向に寄せる筋肉(開散力)を働かせます。
この眼球運動は、眼の疲れを引き起こす恐れがあります。
また、プリズム作用は空間視の違和感を引き起こすこともあります。
つまり、眼の筋肉がプリズム作用と闘い、プリズム作用と綱引きをするようなことになります
ウスカルフレーム「リアメトリー」
これまでにリリースした「シンメトリー」や「サイドメトリー」と比べて、なかなか見られなかったカラーを中心に
新しくラインナップに加えた形です。
このシリ-ズの特徴は、なんといっても「レンズ径が小さいこと」です。
度数が-15.00を越えるような強度の近視のレンズでも、物理的に、でき得る限りの薄さにすることが可能です。
事例 1
それで、当店は視機能優先調製を心がけつつ、かつクレームにならないよう、しっかりした説明をするようにしています。
たいていのクレームは、説明不足ですから。
しかし、一般のユーザーのかたに光学的な説明をするのは、とても難しいです。
「輻輳力」なんて専門用語も難しいです。
ですから、どうしても説明に時間がかかってしまいます。
眼位等に問題のあるかたは、検査と説明で2時間ぐらいかかることはしょっちゅうあります。
お客様も大変でしょうが、私も誠心誠意で接していきますので、どうかご理解をいただきたいです。
A様の調製が成功したのも、A様にご理解をいただいたことが大きいです。
コンタクトレンズは中止し、積極的にトレーニングを頑張っていただき、新しいメガネに順応する努力をしてくれたことが成功へのステップでした。
ありがとうございました。
A様のメガネは、A様と浜田 清と久美との共同作業で調製し、共同責任になります。
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