« ジーパーツ 127 | トップページ | 子供用メガネ »

複視は辛い 45

複視の事例 10

80代のJ様

交通事故に遭い、長時間右眼が開かなかった。開いたときには複視になっていました。
とご来店されました。

眼科処方箋をご持参されていました。

右眼 膜プリズム 20△ 基底 70~80°

備考欄には、
右眼筋麻痺で上下方向に動きが障害されています。複視は顎の上げ下げで変わりますが、基底方向は上方から少し鼻側に回して、自覚的によい方向ではってください。
と書かれています。

それで、実際に20△フレネル膜テストレンズで、試していただきました。

まず、80°から 「ものが二つにみえます」とのこと。
75°では「これもダメ」
70°では「同じこと」
他の方向(基底)でも「複視です」とおっしゃいます。

さて、困りました。自覚的には20△では、よい方向がありません。
とりあえず、当店でプリズム度数の検査をしてみました。

備考欄にも書かれていたように、麻痺性の斜視は視方向によって、偏位量が異なることは珍しいことではないので、視線に配慮して検査をしました。
距離を変えての検査もしてみました。
不安定な要素もあると思いますので、検査方法も複数の検査を実施しました。

結果、 右眼10△~12△B.U. 5△~6△B.I.ぐらいの矯正で複視が解消されます。

では、どうするかです。
「複視が解消されるプリズム度数で作ったらいいのじゃないの!」と思われるかたも少なくないでしょう。

だけど、そうは簡単にはいかないのです。
病気ではない普通の大人のメガネ調製ならいざしらず、(それでも処方箋度数絶対厳守の店もあります)この場合、「麻痺性斜視」という病的なものが絡んできます。
今後、お客様と眼科との関係のこともありますし、処方箋通りに作らないと問題が起きる恐れが出てきます。

« ジーパーツ 127 | トップページ | 子供用メガネ »

目の話」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ジーパーツ 127 | トップページ | 子供用メガネ »

最近のトラックバック