事例
「ふらつきがあります。掛けているメガネは合っていますでしょうか?」とA様がご来店されました。
裸眼視力は、右0.8 左0.7
5メートルでの度数は、
R 0.9×S±0.00 Cー0.50 Ax90
L 0.7×S+0・50 Cー0.50 Ax70
でした。(矯正視力×Sは遠視度数、Cは乱視度数、Axは乱視軸)
眼位は、「左眼抑制」でした。
抑制にもタイプがあります。
A様の場合は、完全抑制ではなく、「強いプリズムレンズで、なんとか両眼視ができることもある」抑制です。
A様は当店には26年ぶりのご来店です。
その時点では「物が二重に見えることがある」ということでした。
眼位は「左眼上斜位」があり、プリズム入りのメガネを調製しました。
念のため眼科も受診されたのですが、その眼科から「プリズム入りメガネなんて、とんでもない!」と当方調製メガネを否定されました。
そのころの眼科は「斜位のかたにはプリズム処方をしない」という方針がありましたから仕方ないかも。
それにしても・・・・(-.-)
で、その後A様は眼位チェックもせずに(多分)、メガネを調製されていったのでしょう。(他店で)
その間に眼位異常はドンドン大きくなり「抑制」が入ってきたようです。
こういう場合、脳のトラブルも考えられますから、今回、病院受診をおすすめしました。
(眼位異常が大きくなった時点で、受診したらよかったのですが・・・)
今回プリズム矯正をすると「複視」が発生する恐れも出てきます。
なので、メガネは調製しませんでした。
今のメガネで様子を見てもらうことにしました。
抑制してしまうと、抑制を取り除くのは困難になる場合が多いです。
抑制を防ぐには、早期発見、早期治療、早期矯正、早期訓練。これがかかせません。
成人してからも、「屈折異常は正しく矯正して、眼位を整えておく」ことは大切です。
最近のコメント