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抑制への取り組み
抑制するということは、人間の持っている眼と脳の機能が失われます。抑制をしないように、
・遠見視力
・近見視力
・遠見眼位
・近見眼位
を常日頃から、確認しておくことが大切です。
屈折異常や眼位ズレ(斜位)があると、調節力と輻輳力のバランスが悪くなり、融像機能に負担がかかり、最終的には抑制をすることもあります。
特に、子供の「近見視力」に気をつけていないといけません。
近見視力が不良だと、学習能率が低下するなどの問題も生じ、弱視になる可能性もあるからです。
しかし、、近見視力不良は発見されづらいです。学校の視力検査が「遠見視力のみ」というの一つの要因です。
ご家庭でお子様の近見視力をしっかりとチェックしてください。
もし、お子様が
・本を読むときに、本に極端に目を近づける
・集中力がない
・目をこらしたり、目を細めて物を見ている
・いつもイライラしている
・文字が正しく書けない
・本の行を正しく追えない
などがありましたら、近見視力不良の疑いがあります。
当店の抑制に対する取り組みは、「抑制する前に、なんとかしたい」です。
それだけ、抑制を除去することは困難な場合が多いからです。
完全抑制して数年間過ごすと、抑制されたほうの目は、弱視にもなりやすく、弱視になれば抑制の除去はまず無理でしょう。
だけど、「弱い抑制」、「間歇性抑制」、「ある視距離では、両眼視できるかた」は、抑制を取り除く可能性があります。
・ 抑制の検査
バゴリーニ線条レンズ法
日常視に最も近い環境において検査ができるため、その検査結果の信頼性が高い。
抑制の有無を簡易に測定する方法もあります。
鉛筆かボールペンのようなもの2本を用意してください。できれば色違いを用意してください。
例えば、赤鉛筆と緑鉛筆を使い、左手で赤鉛筆を眼前約10㎝~15㎝位にセットし、右手をいっぱい伸ばした状態で緑鉛筆を持ってください。
最初に赤い鉛筆を見てください。1本に見えていますか。1本に見えていれば赤鉛筆を見ている状態(視線は赤鉛筆に合わしています)で、緑の鉛筆は何本に見えていますか。
2本に見えるはずです。
この実験は、簡単な両眼視の検査です。もし、赤鉛筆を見ている状態で、緑鉛筆がもし2本に見えていなければ両眼の連動が悪くて、両眼でモノをとらえていません。
<お知らせ>
浜田 清と久美は毎月第3回目の「水曜日」には、お休みをいただいています。
店は通常営業いたしますが、検査をご希望のかたは、「第3回目水曜以外の日」にお願いいたします。
今月の水曜日休みは「9月20日(水)」です。
抑制除去の訓練
頑固な完全抑制を除くのは、難しいのですが、弱い抑制や、間歇性抑制、ある視距離では両眼視できるかたは、訓練する方法があります。
■抑制除去トレーニング
・ 右眼と左眼に特殊なフィルターレンズを掛けます。
・ フィルターレンズを通して、特殊なパネルを見ます。
・プラスチックの玉を通した3㍍程の長さのひもでするトレーニング。
輻輳力のトレーニングや、抑制除去、両眼のチームワークトレーニングができます。
抑制除去訓練は、抑制の有無、抑制の程度、などの検査をして、アドバイスいたします。
抑制してしまうと、抑制を取り除くのは困難になる場合が多いです。
抑制を防ぐには、早期発見、早期治療、早期矯正、早期訓練。これがかかせません。
成人してからも、「屈折異常は正しく矯正して、眼位を整えておく」ことは大切です。
・両眼とも正視で、 右眼と左眼の網膜に同じようなキレイな像が映っていると、融像しやすく、抑制も起こりにくくなります。
・ 遠視は、近見視力が不良になりやすいです。
特に、遠視性の不同視では、遠視の強いほうの眼が弱視になることがあります。
抑制しないためには、早期対応がカギです。
右眼 弱度の遠視
右眼に映る像は、調節力をつかってピントを合わしています。
左眼 中度~強度の遠視
左眼に映る像は、遠視度が強くて、調節力をつかってもピントが合っていません。
やや大きめサイズ、50□17、52□17のオーバル型メガネが入荷しました。
オーバル型フレームとは
オーバル型の基本は、丸型で、横長の楕円です。
ポピュラーなデザインで、クセがなく優しい印象のフレームです。
天地幅は、26mm~30mmぐらいが多くなります。
オーバル型は、PD(瞳孔間距離)の狭いかたや、小顔のかたとの相性もいいです。
MADE IN JAPANにこだわっている当店からのおすすめの日本製品メガネ。
メガネサイズについて(←クリック)
抑制を防ぐには
抑制は、幼いかたほど迅速にかつ広い範囲に起こりやすくなります。
つまり、成長期にある子供の眼は、成人した大人よりもはるかに、気をつけなければいけません。
「右眼も左眼も、遠くは良く見えているから問題ない」は正しくありません。
遠見視力が良くても、30㎝ぐらいの近見視力が悪い場合があります。
遠視系の近見視力不良は、視力の発達を妨げる可能性が高くなります。
↑こちらの本には、子供の近見視力について詳しく書かれています。
近見視力検査視標が付属されていますから、お子様の近見視力を確認してください。
高橋ひとみ著
農文協
眼球運動をつかさどる筋肉を「外眼筋」といいます。
外眼筋は、4つの直筋と、2つの斜筋で構成されています。
内直筋が、主に内転および輻輳運動を行う筋肉で、眼筋の中では一番大きく、その作用も外直筋よりも強いです。
外直筋の作用は、内直筋に比較して弱いです。それで、内斜位のほうに問題が起きやすいです。
上下筋は、さらに弱いです。上下斜位のあるかたは、正常な眼球運動が阻害される確率が高くなります。
19 外直筋
20 内直筋
21 上直筋
22 下直筋
23 下斜筋
24 上斜筋
正常な両眼視機能は、両眼の眼球運動が正常に働くことが条件です。
●正位
無限遠方を見ているときは、両眼の視線がほぼ真っ直ぐ正面に向いています。
両眼とも網膜の正常な位置に結像します。
斜位が強いか、斜位量に比較して融像力が弱いと。
↓
外眼筋の緊張だけでは、両眼視が困難となる。
↓
複視が生じる。
↓
脳は、複視を嫌うので抑制をする。
↓
斜位から斜視になる。
↓
斜視になると、眼位異常は顕在します。
●外斜視
無限遠方を見ているときに、片眼は外側を向いています。
片眼が網膜の正常な位置に結像することができません。
●内斜視
無限遠方を見ているときに、片眼は内側を向いています。
片眼が網膜の正常な位置に結像することができません。
斜位と抑制の関係
眼位(視軸の向き)異常に「斜位」があります。
斜位は融像力(運動性融像)によって矯正されています。
軽度の斜位は、通常問題はありませんが、(斜位の方向や、個人差もあります)斜位量が大きく融像力が弱かったりすると、脳は複視を避けるために、相当な努力が必要とされます。
たえざる注意のために、精神的な疲労も加わり、自律神経も乱れてきます。体調が悪ければ、物が二重に見えたりすることもあります。
物が二重に見えるのを脳は嫌うので、脳は時々抑制(間歇性抑制)をしようとします。
間歇性抑制が恒常化すると「完全抑制」になることがあります。
では、斜位になる原因はなにかといいますと、
遠視、近視などの「屈折異常」、左右眼で度数差が大きい「不同視」などがあります。
調節と輻輳のアンバランスが、斜位の誘因になります。
遠視は正視よりも過大な調節を必要とするため、輻輳が強く刺激され、「内斜位」になりやすく、近視はその反対に「外斜位」になりやすいです。
もし、なんらかの原因で融像が働きにくくなると、左右の眼の網膜に映った像を1つにまとめて、単一視することが困難になり、複視を感じることや複視が生じることになります。
すると、どうなるか。
脳は複視を嫌うので、複視を消すために網膜からの刺激を感受することを拒絶してしまいます。
これを「抑制」と言います。
脳が混乱を避けるための防衛反応とも言えます。
抑制が生じると正常な両眼視機能は、行えなくなります。
立体視もなくなります。
眼球は外界の情報を集める役割で、両眼からの情報を融像して、ハッキリ見えさせるのは脳の役割です。
つまり、「脳で見ている。脳で感じている」ということです。
右眼と左眼の連動がよくないと、眼と脳の関係が悪くなり、脳は眼からの情報を拒絶することがあります。
これが「抑制」です。
抑制とは
人間の眼は二つあります。
右眼と左眼です。
右眼と左眼は、成人で約60mm~約70mm離れていて、左右の網膜には、別々の像が映ります。
両眼が外界から受ける印象を重ね合わせることを「両眼視」と言います。
人間には眼前にある物体を複像として見ることを嫌う本能があるので、両眼から外界の印象を伝えられた両視覚はこれらを完全に合致しようとします。これを「融像」と言います。
両眼の受ける印象は、普通はよく相似していますので融像機能も働きやすいですが、なんらかの方法でこの両印象を著しく変えると融像機能は働きにくくなります
↑右眼に特殊なフィルターレンズを装着しています。
右眼と左眼の印象が大きく違うので、通常の融像ができません。
当店は、それを利用して、丁寧に眼位(視軸の向き)の測定をしています。
もし、なんらかの原因で融像が働きにくくなると、左右の眼の網膜に映った像を1つにまとめて、単一視することが困難になり、複視を感じることや複視が生じることになります。
すると、どうなるか。
脳は複視を嫌うので、複視を消すために網膜からの刺激を感受することを拒絶してしまいます。
これを「抑制」と言います。
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