事例 5
平成26年
E様は親御様とご一緒にご来店されました。
眼科発行の眼鏡処方箋を携えて。
眼鏡処方箋度数
R S-1.50D
L S-2.00D
でした。
ウーン、この度数で調製していいものかどうか。
E様は眼位に問題があることは平成25年のデータでわかっています。
「内斜位が自然に改善された」こともあるかも知れませんが、不安が一杯の処方です。
それで、当方から「こちらでも確認してみましょうか」とご提案しました。
親御様は「今回は、眼科処方で」とおっしゃいましたが、眼鏡技術者とすれば「はい、そうですか」とは言えません。
「どちらの処方で調製するのかはB様のご判断で」ということで、当店検査にOKをいただきました。
当店基本度数は
R S-1.75D C-0.50D Ax180 6.0△ B.O.
L S-2.25D C-0.75D Ax178
やはり、内斜位はあります。
眼科には「今回はプリズム不要です。もし具合が悪ければ再処方します」と言われたそうです。
プリズムが必要か必要でないかの判断は視機能などの面を総合的に判断して決めるべきなのですが、眼科では詳しい視機能検査、眼位検査をした上で、装用テストなどをして「プリズム不要」と診断したのでしょうか?
おそらく、そういうことではないでしょう。
E様に眼科の検査のことをお聞きしますと、「ここでやってくれるほどの検査はしてくれなかった」とおっしゃいました。
プリズムに関しましては、いろんな考え方があり、「斜位はすべて矯正するべきだ。それが自然」とする考え方や、「斜位があっても、斜位の方向や融像力などを考慮に入れて部分的に矯正しよう」とする考え方もあります。私は主に後者の考え方です。
いずれにしましても、マトモな測定もなく、プリズム有無の装用テストもなく、プリズム不要の結論を出すのは、惰性だと思います。
いや、「メガネ屋のやることはけしからん!なのでプリズム不要」としたのかも知れません。
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