近視で内斜位 40
事例 6
今回、F様の②番のメガネは「プリズム入りメガネ」というよりも、度数バランスの悪いことが具合悪さの大きな原因だったことも考えられます。
当店で視力バランスを確認していただきますと、確実にNGでした。
(内斜位のかたは眼位が不安定で、眼位と連動している屈折度数が不安定になり、測定された時点ではこれぐらいの度数だったのかも知れませんが、左右でレンズを入れ間違えた可能性もあります)
①番のメガネを掛けられていて、②番のメガネを掛けると、それは具合が悪いでしょうね。
ですが、F様は「プリズム入りだから具合悪い!」と思い込まれています。(多分)
その思い込みが入っているかたに、正真正銘のプリズム入りメガネをご提案しました。
これは、少し勇気のいることです。クレームになる確率も高いですから。
でも「私にできる限りのことはいたします」と宣言をしていますから、視機能を優先するご提案をしました。
結果、プリズムメガネは上手くいかなかった訳ですが、それも意義のあることだったでしょう。
せめて1、2ヶ月は、試してほしかった。という私の希望もあるのですが、今回、F様の意向を優先しました。
ケースバイケースで対応するのも必要なことで、「理想と現実は違う」というのも一つの真理です。
将来的なことよりも現時点での不具合をなんとかしてくださいというお気持ちもわかります。
ただ、「プリズムメガネはダメ!」と決めつけるのは良くありません。
そもそもメガネレンズはプリズムレンズの集合体で、屈折異常、眼位異常を矯正するのもプリズムレンズです。
そのプリズムレンズを上手に調製していくことが、眼鏡技術者の使命でもあります。
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