乱視について 17
単性乱視のあるかたが視力表を見ると。
正視のかたの見え方 ↓
ランドルト環の切れ目がハッキリと分かります。


乱視のかたの見え方(弱度)↑
ピントが合っていません。ランドルト環の切れ目が分かりづらいです。
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単性乱視のあるかたが視力表を見ると。
正視のかたの見え方 ↓
ランドルト環の切れ目がハッキリと分かります。


乱視のかたの見え方(弱度)↑
ピントが合っていません。ランドルト環の切れ目が分かりづらいです。
正視、近視、遠視は、たて方向やよこ方向共に同じ位置に焦点を結びます。
しかし、正乱視は同じ位置に焦点を結びません。一例をあげると、たて方向が正視でよこ方向が遠視という組み合わせの乱視があります。
こういう乱視を「遠視性単性乱視」といいます。
単性乱視は、ある方向は正視で、ある方向は近視の「近視性単性乱視」もあります。

↑遠視性単性乱視
両方の結像点とも網膜の手前にある場合は、「近視性複性乱視」、逆に両方とも網膜の後にある場合は「遠視性複性乱視」といいます。
結像点が網膜の手前と、網膜の後ろにある乱視もあります。
この乱視を「混合性乱視」といいます。

↑混合性乱視
眼科の発行した眼鏡処方箋では、乱視軸が90°や180°で処方されていることが多いです。
しかし、人間の眼はピッタリ水平乱視、垂直乱視は意外に少ないです。たとえば乱視軸が90°方向でもキッチリと測定すれば85°の乱視というのはよくあることです。
本当は乱視軸が85°の眼を90°でメガネを作ってしまうと、乱視が強ければ強いほど見え方の矯正効果がおちてしまいます。
乱視矯正は、
私たちがお客様の年齢や使用目的、ご希望など今後の推移のことも考慮に入れて「Aだとこうなり、Bだとこうなります。
少し先の事を考えれば、Aの方をおすすめします」とか、「Aだとこうなり、Bだとこうなります。
少し先の事を考えればAの方がよろしいと思いますが、なじみ易いBの方でいきましょうか」、「Aの方でやってみませんか」など、私たちの知識と30年以上の経験を生かし、説明力と想像力を発揮して、お客様に合わせて適切と思うアドバイスをいたします。
その上で、お客様との話し合い、委ね合いでメガネを作っていきます。
最終的には、お客様のご判断でメガネは購入していただくことになります。
そのご判断に至るまでの過程では、ある程度の選択肢にぶつかったほうが、失敗は少ないといえます。
疑問点は何でもお尋ねください。キッチリとご説明いたします。
どの線も同じ濃さの放射線を乱視のかたが見ると。
乱視は方向性のある眼ですから、ピントの合い方が方向により違ってきます。

↑放射線視標
乱視がない、もしくは乱視がごく弱度の場合は、どの距離で見ても線の濃さは同じに見えています。

↑横方向が濃く見えて、縦方向が薄く見えています。乱視のかたは、ピンボケ方向が発生します。
その状態は網膜に投影されます。
●乱視と目の疲れ
近視性の乱視と遠視性の乱視では、遠視性乱視の方が調節介入の程度が大きいために、目が疲れやすい傾向にあります。
また、直乱視よりも倒乱視の方が疲れやすいと言われています。
高い視機能や眼位(視軸の向き)のことを考えれば、乱視はできるだけ完全に矯正した方がいいです。
しかし、完全に矯正することで、違和感が生じる場合があります。
そんな場合は、乱視軸を修整して調製する方法もありますが、軸修整による残余乱視が発生します。
残余乱視があると、見え方に問題が出てくる場合もあります。
乱視矯正は、
違和感の少なさを優先するか、視機能(見え方、遠近感覚などの両眼での眼の機能)を優先するかの選択です。
将来的なことも考慮に入れて、責任を持って私達がアドバイスをさせていただきます。
お客様が責任を持ってのご選択をお願いします。
乱視の違和感
斜乱視 4
(右の乱視軸が135°付近
左の乱視軸が45°付近の
乱視の場合)
右 C-0.75D Ax135 左 C-0.75D Ax45

・床が前下がりに見えるように感じる ・壁が前へ倒れて見えるように感じる
以上が乱視の方向別に分類しました、乱視の空間視の違和感の感じ方です。
お知らせ
6月より毎月第3回目の「水曜日」には、お休みをいただくようにしました。
よろしくお願いいたします。
今月の水曜日休みは「10月16日(水)」です。
定休日 毎週木曜日・第3水曜日
乱視 空間視の違和感
斜乱視 3
(右の乱視軸が45°付近
左の乱視軸が135°付近の
乱視の場合)
右 C-0.75D Ax45 左 C-0.75D Ax135

・床が前あがりに見えるように感じる ・壁が手前倒れに見えるように感じる
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