失敗から学ぶ知恵 7

これだけは、お願いします。

●説明書は必ず目を通してください。
●度数に慣れる努力も必要です。
●努力をしても具合の悪いときは、ご遠慮なくお申し出ください。
●電話での専門的なご説明は難しい場合が多いです。極力ご来店ください。
●お時間に余裕を持ってご来店ください。

あ、なんだか「度数に関して」だけで、長文になってきました。
レンズとフレームに関しては、店でお尋ねください。


まとめますと、
メガネ作りは、メリットとデメリットを天秤にかけて、何を優先して、何を妥協するかになります。
100%満足なメガネはできませんが、お客様と浜田 清と久美が良い関係を築くことができたら「90%成功」と言えるのではないでしょうか。
良い関係を築くには、「共同責任」という意識が大事です。

メガネは実際に長時間掛けて試してもらわないと100%のことは、わかりません。(具合がいいかどうか)
共同責任という意識があれば、もし、失敗だと感じたとしても次に活かせます。
その時は、メリット、デメリットを上手に天秤にかけて考える知恵が、お客様と私たちについています。
メガネ調製は「失敗も成功のお客様次第」の面もあります。(ほぼ、そう言えるかも・・・)
上手に私たちを使っていただければ、成功する確率は高くなります。

よろしくお願いいたします。

失敗から学ぶ知恵 6

こんなときは、「あー、弱めの度数を選んでくれたよかったのに、そうすればこんなクレームはなかったのに」と思ったりします。
だけど、弱めの度数を選んでくれたとしても「見えん!」と怒られるかもしれません。

折り合いつける調整は難しいのですが、いつも私たちの説明不足を感じます。
もっと説明を上手に解りやすくキッチリとやっていればいいのですが、時間的余裕がない場合もあります。
検査だけでも、そこそこ時間をいただかないと丁寧な検査はできないのに、さらに説明時間をいただくのは、困難な場合も多いです。
また、説明すればするほどお客様を混乱させることもありますから、説明をキッチリやればいいというものでもありません。

耳で聞く説明は頭に入りづらいかたもいます。現に私もそうです。学生時代から耳から入れる情報を把握するのは苦手な方です。
それに、メガネ屋で非日常的な検査を受けつつ説明を理解するのも難しい点もあるのではないかと思います。
それで、文章にして説明書をつくっていきましたけど、これも長すぎたら読んでくれません。

それだけ、十人十色の人に合わせての説明は難しいです。

いずれにしても、失敗の経験はほぼすべて私の頭の中に入っています。
トラブルの経験はいつまでたってわすれません、トラウマになっている面もあります。
しかし、失敗を怖れて無難な度数ばかりをおすすめしていては、お客様のタメにもよくありません。
過去の失敗を活かして、過去の失敗を参考に、お客様に最適だと思われるアドバイスをして、上手にメガネ作りをしていきます。

失敗から学ぶ知恵 5

度数の決定はお客様

メガネは

「良く見えて、違和感が少ない」、「目の疲れがなく、快適に掛けられる」ものが理想なのですが、光学的にも100%のものはできません。
候補度数を検討する場合、「メリットで良しとするか、デメリットでダメとするか」です。
最終的には度数の決定権はお客様です。私たちのアドバイスを参考に調製度数を判断してください。

その場合に、これだけは頭にいれておいてください。

●違和感は慣れてしまえば、ほとんど感じなくなります。違和感の問題は時間が解決する場合が少なくありません。

●優先的に違和感の少ない度数を選んだ場合で、矯正視力が不満の問題は、時間が解決することはまずありません。


当店はお客様の将来的な視機能のことも考慮に入れて、調製度数のアドバイスをしていきます。
しかし、メガネをお渡しして、その日に「慣れん、キツイ、度数が間違っている」とお叱りを受けたことが何度かありました。
メガネの特性に関することなどのご説明しても、ご立腹していますから、聞く耳をもってくれません。
立派な?トラブルです。トホホホ。

失敗から学ぶ知恵 4

目の疲れの軽減を優先する場合は、
たとえば、「眼精疲労が激しくて、時々モノが二つに見える」などの症状は、目の筋肉のズレ(斜位といいます)がある場合があります。
そんなときは、この症状をとるプリズムレンズで調製します。
そうしないと、車の運転時に事故をする確率が増え、ウツ状態になる可能性もあるからです。
この場合は違和感などのデメリットよりも、確実にメリットが上回ります。

悩むのは、「目の疲れはあるが、極端に疲れるということもない、モノが二つに見えることもない」というときで、目の疲れをとるためのレンズは快適だけども、違和感があるという場合です。
こんなときは、違和感の少ない度数を選択していただき、目のトレーニグで目の疲れをとる効果が期待できるときは、トレーニングのやり方をアドバイスいたします。

 

失敗から学ぶ知恵 3

では、まず「度数の選び方」から。

度数を決定するときは、何を優先するかを考えます。
視力なのか、違和感の少なさか、はたまた目の疲れの軽減か。

視力を優先して作る場合は、必要視力がいるときです。たとえば普通免許であれば両眼で0.7の視力が必要です。こんなときは迷いません。
必ず視力が0.7以上見えるメガネを作ります。(矯正視力が弱いかたもいます)

違和感の少なさを優先した場合は、おうおうにして希望視力が得られないことが多いです。そんな時は迷います。メガネは見るための道具ですから、良く見えないのもストレスの基や視機能の低下につながります。

たとえば、基本度数がS-3.00Dの近視のかたの場合
基本度数のS-3.00Dでは、矯正視力は1.2。
基本度数より4段階弱めたS-2.00Dで、矯正視力は0.6。  
S-3.00Dでは、良く見えるけど、違和感がある。
S-2.00Dでは、違和感は少ないけど、見え方が不満。
(Sは近視度数、Dは度数の単位。数字が大きいほど度数が強いです。度数は0.25きざみであります))
の場合どうするかです。

「違和感の少なさを優先した場合」は、
S-2.00を選択すればいいのですが、見え方の不満は残ったままになります。この不満は時間が解決することもありません。
それで、中間度数ののS-2.50Dで作った場合は、「見え方はマアマアで、違和感もそんに感じない」ということになります。

結局、ここらへんの度数に落ち着く場合が多いのですが、私は基本的にはお客様の持っている視機能が最大限発揮されるような度数を、お勧めします。(ケースバイケースです)

なぜなら、視機能が充分発揮されないと、調節力(近くのものを見るための眼の力)と輻輳力(近くのモノを見るために眼を内側に寄せる力)のバランスが悪くなり、立体視や遠近感も悪くなるからです。

遠近感が悪くなれば、スポーツや車の運転がスムーズにできなくなります。
ということは、交通事故も増えます。
交通事故で大怪我をした経験のある私にとって、悲惨な交通事故なくしたい気持ちは強いです。被害者も加害者も大変ですからね。

失敗から学ぶ知恵 2

メガネはどこかが良ければ、どこかが悪くなる面があります。(メリットとデメリットが必ずあります)
「100%満足」は、現実には不可能です。

こんなことを言ったら、「そんなことは、言われなくてもわかっている」と言われそうですけど、デメリットを把握してもらわないと、トラブルになりやすいのです。
一番の失敗はトラブルになるということですから、メガネ作りは「お客様と浜田清と久美の共同作業です」と訴えています。
トラブルになると、禍根がのこることになり、自店とお客様のデメリットになり、いいことは一つもありません。

当店のメガネ作りは、お客様との共同作業になります。

失敗から学ぶ知恵

浜田 清は眼鏡士歴40年以上の経験がありますが、メガネ作りに失敗したことは数多くあります。
といいますか、成功の定義を「100%の満足」とすれば、今まで作ってきたすべてのメガネ作りに失敗しているといえます。
でも、100%の満足なんてものは、私の中ではありえないと思っていますから、私の目標が「お客様満足度90%」のメガネ作りなんです。

では、「100%の満足」とはどういうメガネでしょうか。

度数に関しては
1、良く見える。
2、違和感がない。
3、目の疲れがない。

レンズに関しては
1、軽い。
2、薄い。
3、透明度がいい。
4、キズが入りづらい。
5、長持ちする。
6、曇りづらい。
7、汚れがつきづらい。
8、安い。

フレームに関しては
1、オシャレである。
2、軽い。
3、フィッティングがしやすい。
4、掛けやすい。
5、丈夫である。
6、メンテナンスがたやすい。
7、メッキ剥がれがない。
8、錆びない。
9、安い。

と、こんなところですが、まだまだあると思います。たとえば「他人の評判」なんかもそうです。
ご自分は十分に気にいったとしても、他人に一言「良くない」と言われてしまったら、もうそのメガネは気に入らないものになってしまう事もあります。

もちろん、上記のこともすべて達成されることはありません。
なぜなら、すべて、相反する面があるからです。
どこかが良ければ、どこかが悪くなります。メリットとデメリットが必ずあります。
「100%満足」は、現実には不可能です。

眼鏡作製技能士検定

眼鏡作製技能検定の合格通知書が届きました。

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これで浜田 清は国家検定資格の「眼鏡作製技能士」になりました。

眼鏡作製技能士と眼科との連携が「ユーザー本位」ではなく、「眼科本位」にならなければいいのですが。(-.-)

 

なお、私は大阪眼衛生協会認定の「眼鏡士」(民間資格)でもあります。

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眼科と眼鏡店との共通の目的が「眼の健康を守る」ことであるならば、

眼鏡店でもできる大人の普通の処方(病気の治療を目的とするものではない)は、

眼鏡作製技能士や眼鏡士などのいるメガネ店に委ねていただきたいです。

乱視は? 11

乱視の自覚検査から基本度数を決定し、装用テストを経て、調製度数を選択します。この工程はお客様と当方との話し合い、委ねあいの作業になります。

当店で調製するメガネは、お客様と浜田 清と久美の共同作業で作り、共同責任になります
というのをしっかりと、意識していただきたいのです。

(自覚測定は、お客様本人がしている。測定者はその補佐をしているだけ。ということも言えます)

お客様にお願いしたいのは

一番目は
「お時間に余裕を持ってご来店ください」です。
時間的に余裕がない状態で検査に臨むのは、避けてください。

特に、
・老眼世代の40歳以上のかた
・眼精疲労のあるかた、
・時々、モノが二重に見えるかた
・首、、肩コリの強いかた
などのかたは、近見での丁寧な測定や、遠近両用の測定、詳しい眼位の検査も必要とする場合が多いので、十分に余裕を持ってご来店ください。

「えー、検査にこんなに時間がかかるとは思っていなかった」という、お客様のお声もよくお聞きしますので、これを一番にしました。

二番目は
「できるだけ体調や気分のいいときに、ご来店ください」です。
体調や気分が優れない時は、微妙な応答(判断)が上手にできないことも少なくありません。

それだけ、微妙な検査をしているということもあるのですが、体調の変化は自覚検査に影響があり、体調が悪い時に測定すれば信頼性の低いものになる恐れがあります。

二日酔いや、寝不足、強いストレスがあるときなどは、検査は避けたほうがいいです。

ただし、「できるだけ」と書きましたのは、体調が悪くなり眼の屈折度数が変化し、それでは不自由だからメガネを調製したい場合は、体調の悪い時でも検査するしかないですし、不眠症のかたなどは、常に寝不足状態ですから、その状態で検査します。

症状が改善されれば、屈折度数が変化することもありますが、それはそのときとお考えください。

「検査を受ける時間帯は、いつがいいでしょうか?」という、ご質問も時々いただきます。
このご質問には「起床直後とか食後直ぐとかは、できれば避けたほうがいいです。体調の安定している時間帯にご来店ください」とお答えしています。

なお、メガネの使用目的によりましては、時間帯をご検討ください。
たとえば、日中にご使用になる度付きサングラスをご希望でしたら、天気のいい日の日中にご来店ください。
主に、夕方夜間の車の運転に使用したい場合は、夕方以降にご来店ください。

三番目は
「しっかりと、ハッキリと見えた通りにお答えください」です。
自覚検査では、たとえば「Aのほうが見えますか、それともBのほうでしょうか、どちらも同じぐらいですか」という感じで、いろんな質問をさせていただきます。
それに対してお客様の的確なお答えがないと、検査はスムーズに運べません。

的確な答えといいましても、AとBがあきらかに見え方が違う場合は、キッパリとどちらかのお答えになるのですが、検査を詰めていくと、AかBか判別し辛くなってくるのです。

そのAとBが同じぐらいに見える点を探している検査の場合、AとBが同じぐらいと感じたら「ほぼ、同じです」としっかりとお答えをいただきたいのです。
「Aのようでもあり、Bのほうでもある。Aかな、いやまてよ、やはりB。いやいやA」とお答えいただくと、なかなか検査が先に進めません。

完璧にAとBは同じ見えかたになることは少ないので、「多少Aのほうがマシ」、「Bかな」でもいいのです。
お客様の口調などで、私が判断をしていきます。

乱視は?10

お客様の眼の基本度数(完全矯正値)を求めるには、「他覚的検査」と「自覚的検査」があります。

他覚的検査とは

他覚的検査とは、お客様の「見える、見えない」などの応答を必要とせず、測定者がオートレフ(コンピューター測定器)などの検査用具を使用して他覚的に度数を求めるものです。

自覚的検査とは

自覚的検査とは、お客様の「見える、見えない」、「どちらが鮮明か」などの応答を必要とする自覚的な検査です。

基本度数決定の原則は、他覚検査を経て最終的には自覚検査ですから、自覚検査は重要になります。
「しっかりした自覚検査をすれば、他覚検査はいらない」とも言えます。(ただし、検査時間がかかります)

自覚検査は、お客様の上手な応答も必要とします。

① ↓

② ↓

乱視の検査は、この①と②「どちらが鮮明でしょうか?」、「どちらがより見やすいでしょうか?」などとお尋ねしていきます。

これぐらい鮮明差があれば判断しやすいですが、微妙な差の判断は難しくなります。

その時の感情にも左右されることもあります。環境や時間帯によっても結果が変わることがあります。

不安定なのも人間であるがゆえの特徴です。

それで、検査が長くなることもあります。

メガネ作りはお客様との共同作業になります。

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