生涯教育では「ご提言または今後希望する講座などについて」ご記入ください。
との文言もあります。
で、数年前にこの講座を希望してみました。
↓
「眼科発行の眼鏡処方箋によるトラブル対処法」
眼科が発行する眼鏡処方箋の中には、遠近累進の度数としては上手くいかない可能性が高い処方があります。
(たとえが、遠近累進がはじめてのかたに加入度数が3,00とか)
こんな場合、発行した眼科に言いましても、問題が解決しないことも少なくありません。
眼鏡士として、その場合、どのように対処をすればいいかをご教授いただきたいです。
でも、このような内容の講座はいつまでたっても開かれません。
今回の「高齢者の快適な視力のための眼鏡調製」の講座にもそういうことには触れていません。
快適な眼鏡調製にするために、ユーザー本位に考えれば大事なことだと思いますが、いかんせん○○の問題があるのでしょうね。
提言については、
眼科と眼鏡店の不適切な関係について過去に提言しましたが、「個々の商売に関することは・・・・」でかわされてしまいました。
ハー、なんだかね・・・・・😵
生涯教育テキストより
「円錐角膜とは」
角膜が薄くなり突出してゆく進行性の疾患である。
角膜について学んでいます。
屈折異常を矯正するものに「コンタクトレンズ」があります。
そのコンタクトレンズによって、角膜の内皮細胞数が減少する恐れがあります。
内皮細胞の再生力はほとんどありません。
細胞数の減少は、角膜混濁の危険性が増大します。
「コンタクトレンズは危険性ある!」ということを頭に入れおいてください。
また、レーシック手術も角膜内皮細胞に影響がでる恐れもあります。
手術後の角膜のひ薄化による「角膜拡張症」をきたす問題も指摘されています。
「健康な目に侵襲するレーシック!」病気になってもいいの?
「調製度数をどうするか」の判断は、最終的にはお客様に委ねることになります。
その判断にしても、「絶対に正しい」ことはありません。
そもそもメガネ調製は「やってみなければ100%ことはわからない(具合がいいかどうか)」ものです。
わからないものに正否の基準はありません。
お客様の判断基準もあやふやなもので、調製度数はその日の気分や意識によっても左右されることもあります。
天候や時間帯によって、判断が異なることも不思議ではありません。
そんな不確実性の商品(メガネ)ですから、共同作業で作り、共同で責任をとるしかありません。
違和感があると、「このメガネは間違っている」とお叱りを受けることもあります。
このお叱りも正しくはありません。
その度数を選んだのはお客様ですから、「間違えたのはお客様」ということもいえます。
でも、店の「不足」も必ずあります。
説明不足、提示不足、配慮不足などですね。
どちらの責任が大きいか。
目的は「上手に当店をご利用いただく」ことです。共同作業の責任は「五分五分」と考えたほうがいいですね。
事例
50歳代 B様
ご持参眼鏡の度数
R S-1.75D C-0.75D Ax90
L S-1.75D C-0.50D Ax90
(Sは近視度数、Cは乱視度数、Dは度数の単位、Axは乱視軸)
当店検査度数、基本度数(5m 両眼開放屈折検査)は、
R S-2.00D C-1.50D Ax72
L S-2.25D C-1.00D Ax88
年齢からいいましても、老視(老眼)になっています。
こんな場合の選択肢、
・単焦点レンズ(遠近両用ではないレンズ)では
1、遠方が見やすい度数
2、中間距離が見やすい度数
3、近方が見やすい度数
です。
1の遠方が見やすい度数は、中間距離や近方が見えづらくなります。
3はその逆です。
2は遠方も近方もそこそこの見え方になります。
調製目的が「車の運転」であれば、「1」でいいのですが計器類が見えづらくなることもあります。
・遠近両用メガネ
遠近両用メガネは、遠方度数、中間度数、近方度数とすべての距離を見ることのできる設計になっています。
このレンズを使いこなすことにより、快適な視生活を送ることが可能です。
しかし、遠近両用レンズは、その度数変化を不快に感じるかたもいます。
そういうことも、ご説明し、B様とのお話合いの結果、
単焦点レンズで
R S-1.75D C-1.00D Ax72
L S-1.75D C-0.75D Ax88
の度数で調製しました。
後日、
「気持ち悪くて掛けられない」とご来店されました。
お買い上げ後、数日しかたっていないので「慣れていただければ」とご説明しましたが、慣れていただける雰囲気ではなかったので、「レンズ交換」の選択をしていただきました。
度数的には乱視を1段階強めているだけなので、ご持参メガネと同度数での再調製です。
乱視軸もAx90にやりかえました。
これで、乱視を変更したことによる違和感は少なくなりましたが、前眼鏡の問題(乱視軸などが違う)は残ったままです。
これでいいのかどうか・・・・。
もし、前眼鏡と同度数で作ったとしてもレンズが古いものから新しくなることによる違和感も発生します。
「スッキリ見えてなんだか気持ちが悪い。」となることもあります。
「以前のメガネではこんなことはなかった」と言われることもありますが、それは当たり前で、人間の身体が変化しているからですね。
年齢を重ねるごとに、新しい変化を嫌う身体になっているし、眼の機能そのものも衰えてきています。
ですから、できるだけ早期に適切な矯正をするべきです。
前眼鏡を作られた5年前に、もっとしっかり乱視を矯正してくれていたら・・・・。
(5年前はそれぐらいの乱視だったかも知れませんが)
「安易な低矯正」は問題を先送りする面もあり、商売人としてのクレームを恐れるメガネ屋の事情もあります。
いや、技術者としてもクレームは怖い・・・。😵
左右で屈折度数(遠視、近視の度数)が大きく異なっているものを不同視といいます。
不同視のかたは、
・頭痛
・眼痛
・眼精疲労
・流涙
・複視
・自律神経の乱れ
などの症状がおきやすいです。
不同視は調節や輻輳にも負担がかかり、斜視や、斜位などの眼位異常にもなりやすいです。
特に、遠視性不同視は視機能異常になりやすいです。
ですから、適切な矯正をすることが望ましいです。
しかし、不同視矯正のメガネは「プリズム作用(誤差)」などにより、掛けづらい場合があります。
その点でも、早期に順応性が高い時期からキッチリと完全矯正をすることをおすすめします。
一般的に年がいけばいくほど不同視矯正メガネに慣れづらくなります。
メガネにはどうしても違和感がついてきます。違和感はゼロにはなりません。
その違和感に対して、
「慣れるしか方法がないのですか!」とお叱りを受けることがあります。
違和感を少なくする方法はありますが、「まったく慣れる必要はない」ということはありません。
・違和感の少ない度数
・視機能が向上する度数
・見え方が優れている度数
どの度数を優先するのかの判断は、お客様です。
基本は、
メガネは慣れることにより、より良い視覚を発揮することができます。
結果、快適で見やすい道具(メガネ)になります。
メガネには変化はつきものです。度数の変化、レンズタイプの変化、レンズ設計の変化、フレームの変化など。
変化があるたびに、多かれ少なかれ違和感もついてきます。
同じ度数、同じレンズで仕上げてもフレームが変われば、空間視の感覚が違ってきます。
フレームによって、そり角、前傾角、サイズなどが違ってくるからです。
レンズ、フレームも進化しているといっても、違和感がゼロになることはありません。
もし、ゼロになったとしたら人間ではなくなるかも・・・・。
その違和感にどう向き合っていくのかが、メガネ調製成功への道しるべです。
キーワードは「決めつけない」です。
決めつけてしまえば冷静な判断ができなくなり、柔軟性が失われます。
「違和感があるメガネはダメ!」、「慣れづらいメガネはダメ!」と決めつけると、メガネの変化、裸眼との変化にまったく対応できなくなります。
メガネは見るための道具で、道具は上手に使いこなしてこそ、本来の機能を発揮することができるものです。
使いこなすには、メガネも脳で使いこなすようにするのですが、マイナス思考の決めつけは脳の機能が停滞しやすく、脳と連動している眼球の動きも鈍くなり、メガネに慣れづらくなります。
新しいメガネを掛けることにより、見え方が変化し、調節と輻輳も変化します。直ぐに結果を求めるのではなく、徐々に慣れていただけますと幸いです。
もし、どうしてもダメな場合は浜田 清も責任を持ちますから、けっして「メガネのハマヤはダメ!」と決めつけないでください。
メガネの小さな変化に上手に対応できるようになると、大きな変化への対応も上手になると思います。
当店のメガネは、お客様との共同作業で調製し、お客様との共同責任になります。
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