近見用視力表

当店が使用している近見用視力表(近用視力装置)です。


眼位検査や両眼視検査ができます。

内部光源式のこの装置、もう何年も前に製造中止になっています。

昔は、2、3のメーカーがこういう近見用視力表を作っていましたが、今はどこも作っていません。

それで、眼鏡機器では日本でトップメーカーの「ニデック」さんに近見視力表製造の打診してみました。

結果、「それは作る予定はありません・・・」とのこと。

ウーン、残念!

スマホを見ることや、パソコン作業など、快適に見ることのできる近見用メガネの重要性が言われている昨今です。

それには、より正確な度数検査(屈折検査)が期待できる、実用的な両眼開放式の近見視力表が必要です。

日本のメーカーがどこも作っていないのは寂しいですね・・・。

 

技術的な問い合わせ

眼鏡技術のお問い合わせがありました。

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眼科の○○に携わる仕事に就いており特に屈折矯正の分野専門です。ご教示頂きたい所を下記にコピペさせて頂きました。1は理解できるのですが(F=1/D)2~6までの近点の距離はどのように算出されるのでしょか?あくまで、ある被検者様の実測値ということなのでしょうか?ある眼光学の本にも同様の例が記載されており(調節が入らない状態で正視、近視の方の場合の近点距離が記載されている)どうしても行き詰まりお問い合わせさせて頂きました。


明視域とは。
たとえば、50歳の正視のかたで、調節力が2.5Dのかたの明視域は「∞~約40㎝(∞は遠点です)」です。
(遠方は、無限遠までピントが合い、2.5Dの調節をすれば、40㎝までピントを合わせることが可能)
50歳、正視、調節力が2.5Dのかたの明視域
1、メガネを掛けない場合  ∞~約40㎝
2、S+0.50Dのメガネを掛けた場合  約2m~約34㎝
3、S+1.0Dのメガネを掛けた場合   約1m~約29㎝
4、S+1.50Dのメガネを掛けた場合 約67㎝~約25㎝
5、S+2.0Dのメガネを掛けた場合 約50㎝~約22㎝
6、S+2.50Dのメガネを掛けた場合 約40㎝~約20㎝

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高知 メガネのハマヤ 浜田 清です。

お問い合わせをいただきました。

さて、「調節力」と「明視域」の件に関しまして、
私は教育者ではありません。間違っている可能性も
ありますが、私なりにお答えいたします。


1番が理解できていましたら、あとは同じことです。

2番は「S+0.5D」のメガネを掛けると、目の中の要素は「S-0.5D」の
近視状態になります。

S-0.50Dの近視の遠点は「100÷0.5=200」

S-0.50Dの近視は、目の中にS+0.50の要素を持っていると考えます。
その要素の+0.50とさらに調節力が2.50Dあります。

合計すれば「S+3.00Dの屈折力を持っている目」と考えます。

すると、近点は
100÷3=33.3333
になります。

3番以降同じことです。調節に関しては、専門書などをお読みいただけましたら幸いです。

調節のメカニズムが完全に解明されているわけでないのですが・・・・。

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と、回答メールを出しました。

しかし、何らご返信をいただけません。

お役に立てたのかどうか・・・・ご理解していただけたのどうか・・・・😵

屈折矯正専門家のかたが問い合わせする内容ではないのですが・・・・

当店HP「お問い合わせ」には、

『メールのマナーを守ってください。ご質問への回答が望む回答でなかった場合でも最低限の返信をお願いします。』

と書いています。

 

 

 

 

 

視機能トレーニンググッズ

視機能トレーニンググッズを作りました。

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輻輳力が弱いかたは、視機能トレーニングを行うことを奨励しています。

輻輳力が弱いということは、当然近業での作業は疲れやすくなります。当店のようなHPは字が多いので見るのがイヤになります。
それでは、お客様も当店も困ります。なんとかしないといけません。

なんとかするには。

輻輳力が楽になるようなメガネを当店が作ります。

メガネというものは遠視、近視、乱視、老視、の矯正はもちろんのんこと、斜位の矯正や輻輳力を補うことまでできます。
それだけ、メガネというのは素晴らしい道具です。

パソコン作業や読書などで疲れやすいかたの中には、輻輳力の弱いかたは本当に多いです。特に40歳を過ぎたかたは、眼の調節力(モノを見るための力)が弱ってくるので、調節力と連動している輻輳力はよけいに弱くなります。

当店は、輻輳力を鍛えるトレーニングや、遠近感覚を必要とするスポーツに効果的な眼のトレーニング方法をアドバイスしています。

輻輳力

輻輳力に関するお問い合わをいただきました。

 

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 近くを見ながらの作業を続けていると眼精疲労がたまりやすいです。インターネットや眼科などで色々調べていたら輻輳不全だということがわかりました。(近見外斜位:16D)
これを改善するために対応した眼鏡を作るのもありかと思いましたが、トレーニング(寄り目??)によって改善できたりするのでしょうか。外斜位をできる限り小さくしたいです!!
教えていただけたら幸いです。

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 ○○様

高知 メガネのハマヤ 浜田 清です。

お問い合わせをいただきました。

さて、輻輳不全に関しまして、まず「近見外斜位 16D」というのは
眼科で検査されたものでしょうか?

それで、「輻輳不全」ということがどうしてわかったのでしょうか?

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近見外斜位16D
参考までに...
遠見外斜位2D
上斜位0D
輻輳近点60mm
深視力0mm
ステレオ正常
斜視なし
その他項目(遠中近距離視力、視野、眼圧、....)正常
は、眼科で検査していただきました。

輻輳不全と判断いたしました根拠としては
1.近くを見る仕事を長くすると眼精疲労が出やすい。
2.外斜位の数値
3.暗闇に入ると眼球が外に少し移動する感覚がある(気がする...)

上3つであり、眼精疲労が出やすい点において輻輳不全の症状に近いと判断しました。

眼精疲労に悩まされているので改善できるのならばしたいと思いこの度メールを差し上げました。よろしくお願いいたします。

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ご連絡をいただきました。

通常、眼位の値はプリズム値で表示します。「△」
「D」は度数の単位である「Dioptre」になります。

これが近見外斜位が16△B.I.だとしますと、
ある標準値からすると、強いことになります。

しかし、輻輳近点6㎝は正常値です。

ですから「輻輳不全」と判断するのは早計ではないでしょうか。

近見では「上斜位」がある可能性もあります。

いずれにしましても、○○様の眼を実際に検査してみないと
ハッキリしたことは言えません。

また、検査の数値は検査方法などによって、変わることも
少なくありません。

一度、信頼のおけるメガネ店にご相談(検査)されてから、トレーニングの
指導などをしてもらうことをおすすめします。

その場合、メガネを購入することを前提にご相談してください。
(メガネ店で、検査だけをやっているところは少ないです)

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○○様

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以上。

 

この件では、私の勉強仲間にも情報を共有し、ML談義をしました。

その中で、参考になるご意見もいただきました。

 

なお、当店は「複雑なご質問ご相談は、メールでお願いしています」
(浜田 清と久美の二人で営業していますので、電話に出られないこともあります。
長時間のお電話も、ご来店中のお客様にご迷惑をおかけすることがあるからです)

他店お買い上げメガネの調製具合、見え方などのご質問に関しましては、お客様の目の状態、お顔の大きさ、フレームの状態などのデータが当方にはありませんので、お答えできかねます。(まず、お買い上げ店にご相談ください)

遠視、近視、乱視、老視などの度数調製や斜位、斜視の矯正に関することは、実際に目の検査をしてみないとお答えできかねる場合もあります。

視機能などのお問い合わせは、当店HPに掲載させていただく場合もあります。(個人が特定できないように、配慮します)
ご了承ください。

<ご質問マナーも守っていただきますと幸いです>

 

 

 

 

視機能検査

視機能をチェックする小道具です。

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このピンクの矢印(→)で、人間の目が持っている最高機能をチェックします。

どういうふうに使うか・・・・・。

 

右眼と左眼の見え方比較 5

両眼バランスは左右眼での視力を揃えることではなく、

両眼の調節状態を揃えることです。

右眼と左眼で単眼視の状態で物の見え方を比較する。

この方法が正確な視力バランスチェックにはならない理由の一つに「継時比較である」ということがあります。

継時比較とは前で見た記憶と、今見えている物を比較することです。

この記憶はあいまいになりやすくなります。

また、単眼視での視力バランスチェックは調節状態が不安定になりますから、よけいにあてになりません。

見る物の距離によって、左右眼で見え方が違ってくるのは普通にあります。

 

接近ボックスの視力表



視力表の中には1mの前方に設置して、5mでの検査ができるものもあります。
この視力表は周辺部の枠などで、感覚的に十分遠いという感じ(5mのイメージ)が起きづらいです。
すると無用な調節がおきやすくなります。
当然、乱視や眼位も違った度数が出てくることがあります。 

ビジョンテスターを利用して単眼視検査、接近ボックス視力表での屈折検査は、信頼がおけないです。

 

 

右眼と左眼の見え方比較 4

右眼と左眼で単眼視の状態(片眼を遮蔽)で物の見え方を比較する。

この不自然な状態での視力チェックは、両眼視機能的な視力バランスはチェックはできません。

両眼視での視力バランスチェックは特殊な機械を使って、両眼「同時比較」がより正確にチェックできます。

しかし、単眼視チェックの結果で、お叱りを受けることもあります。

両眼視バランスは問題なくてもです。

どう説明しても「思い込み」には負けることもあります。

説明すればするほど「屁理屈はイラン!」と言われることもあります。

まぁ、だけど眼鏡技術者としたらやることはやっておかないとね・・・・。

 

 

大事なことですから、繰り返します。

両眼バランスは左右眼での視力を揃えることではなく、両眼の調節状態を揃えることです。

 

 

右眼と左眼の見え方の比較 3

「調節バランス」と「視力バランス」は違うものです。

ちょっとややこしいことを言います・・・・。

 

両眼調節バランステストは、屈折検査において重要な検査です。
この検査なくして、快適に掛けられるメガネはできません」と言っても過言ではありません。

「えー、調節のバランスってどういうこと?」と思われるかたもおられるでしょう。

調節バランスとは、
両眼視で、ある距離を明視した場合、両眼での調節量を揃える」ことです。
これが重要です。メガネ調製のミソです。

左右が同じ調節レベルでなければ、いろな距離にある物体を見たときに左右それぞれに必要な調節量が異なってきます。
調節系の神経支配は左右眼別々の量の調節ができないために、右眼が明瞭に見えるための調節をした場合、左眼では像がぼやけ、左眼で明瞭に見える調節をすれば右眼がぼやけることになります。

調節バランスが取れていないメガネでは、調節に負担がかかります。
調節に負担がかかると、輻輳力にも影響がでてくる恐れがあります。

視力バランス」は取れていたとしても、「調節が介入した状態でのバランス」の可能性があります。
「左右で見え方は揃っているからOK」という訳ではないのです

右眼と左眼の見え方比較 2

「右眼の見え方と、左眼の見え方」これは揃っているほうが望ましいです。

基本的には、左右眼の「見え方バランス」が取れるように調製していきます。

しかし「バランスが取れている=快適に掛けられるメガネ」になるとは限りません。

たとえば、左右眼で度数差が大きい「不同視」の場合。

視力バランスが取れているメガネで調製すると、「プリズム誤差などの問題でとても掛けられない」ということもあります。

そんな場合は、視力バランスを優先するのではなく、ひとまずは掛けられる度数からはじめて、「慣れた段階で徐々に度数調整をしていく」方法で対処していきます。

最終的には視力バランスの取れているメガネを掛けることが理想です。

その理想の度数まで持っていけるかどうかは、人それぞれです。

視機能異常にもなりやすい不同視は早期発見、早期対処が肝心です。

また、不同視とまでいかなくても、たいていのかたは多かれ少なかれ左右で度数が違います。

ですから「視力バランスをとる」は原則であり、鉄則ではありません。

左右の度数差を少なくする目的で、「度数の強いほうをやや弱めて調製する」ことも少なくありません。

それに、厳密に言えば、左右眼で完璧なバランスはとれません。

通常、レンズの度数そのものが0.25D刻みでしかなく、バランス差が0.25Dの差でピッタリ収まるというものでもありません。

 

メガネの基本は、用途、用法を考えて、前眼鏡度数、度数差、年齢、などを考慮に入れて調製していくものです。

「左右眼で見え方の違うメガネはダメ!」と決め付けるのはダメです。

右眼と左眼の見え方比較

メガネを掛けて物を見た場合、「右眼の見え方と左眼の見え方が違う」と言われることがあります。

これはお客様自身が「右眼だけで見る」、「左眼だけで見る」を見比べてのことです。

でも、通常物を見るときは両眼で見ます。

片眼を塞いで見ることはほとんどありません。

ですから、このやり方で「視力バランス」のチェックをしても意味がありません。(正確ではありません)

当店の屈折検査も基本的に両眼の協調を考えて検査しています。
日常視とは違う(左右眼の協調性のない不自然な状態)方法で測定する、単眼視検査(左眼を遮蔽して右眼を測定し、次に右眼を遮蔽して、左眼を測定する方法)だけでは、適切でない度数が測定されてしまう場合があります。

メガネのハマヤでは両眼の協調を考慮に入れて、「両眼開放屈折検査」でメガネ度数の測定をしています。

両眼開放屈折検査とは偏光板を使った特殊な装置で、両眼を開けたままで、右眼と左眼を別々に測定します。
この検査方法は単眼視検査に比較して、より日常視に近い状態で測定することになります。
非日常的な単眼視検査結果とは、乱視の度数、乱視の軸(方向)や近視、遠視度数の強弱のデータに違いがでることがよくあります。

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