眼鏡処方箋のPD 3

お子様(7歳)のPD(瞳孔距離)が62mmと記入されていることを眼科に問い合わせてみました。

すると、「これは52mmの間違いです」ということでした。

問い合わせてよかったです。

しかし、こんな問い合わせをすることは、メガネ屋にとってはリスクがあります。

心象を悪くする眼科医もいるからです。

「メガネ屋が、眼科に問い合わせをするのは生意気だ!」と。

(今回も眼科からは、「ご指摘ありがとうございます」の言葉はありませんでした)

ですから、不適切な処方だと思っても、そのまま(処方箋のまま)調製するメガネ屋も少なくないでしょう。

たいていのメガネ屋は基本的に「処方箋は尊重する姿勢」なので、「そのまま作る」は悪いことではありません。

しかし、その結果「メガネ難民」と呼ばれる患者さんを作っている現実もあります。

 

 

 

 

 

眼鏡処方箋のPD 2


両眼の瞳孔中心間距離(pupillary distance)を略してPDと呼んでいます。

PDと眼鏡レンズの光心が一致することによりプリズム誤差は生じません。

 

・プリズム作用により眼の筋肉が外方向(耳側)に引っ張られた場合は、内方向(鼻側)に寄せる筋肉(輻湊力)を働かせます。
・プリズム作用により眼の筋肉が内方向に引っ張られた場合は、外方向に寄せる筋肉(開散力)を働かせます。

この眼球運動は、眼の疲れを引き起こす恐れがあります。
また、プリズム作用は空間視の違和感を引き起こすこともあります。

つまり、眼の筋肉がプリズム作用と闘い、プリズム作用と綱引きをするようなことになります。

今回の眼鏡処方箋

本当のPDは52mmなのに、光心を62mmで入れると、1△(プリズム)以上の誤差が生じてしまいます。

これは、「輻輳力が強要される」ということです。

子供の遠視は、「内斜位」になりやすい傾向にあります。

その上に、輻輳力が強要されると、本当の内斜位になる恐れがでてきます。

(眼位を調整する目的で、意図してPDを62mmとした可能性もありますが、それならそうと書くべきだし、そんなことをするとも考えづらい・・・)

これはマズイ! 眼科に問い合わせしてみないと・・・・。

眼鏡処方箋のPD 1

眼科発行の眼鏡処方箋でメガネ調製をご希望の7歳のお客様。

その処方箋を拝見すると、PD(瞳孔間距離)が「62mm」と記入されています。

えー、62mmですか・・・・・、2年前のPDは49mmです。

Photo_20200817112001

ウーン、そんなに急激のお顔が大きくなったようには見えません。

62mmは、もう大人サイズのPDです。

当店でPDのチェックをすると、53mmです。

さて、どうするか。

このまま光心を「62mm」に合わせて調製するか・・・・。

 

レンズには光心(光学中心)があります。普通、光心をそのかたのPD(瞳孔中心間距離)に合わせて調製します。この作業を「心取り」と呼びます。

もし、光心とPDが合っていないとどうなるか。
そもそも眼鏡レンズはプリズムレンズの集合体と言えますから、視線とPDが一致していないとプリズム作用が生じます。

プリズム作用が生じると、眼の筋肉がレンズの基底の方向に引っ張られることになります。
すると、眼は両眼の視線を注視点に合わせるために、引っ張られることに逆らうような眼球運動をします。

遠近累進の処方箋 6

 

「眼鏡調整報告書」が眼鏡処方する上で、少しでも参考になればいいのですが、

「メガネ屋ごときがけしからん!」と、ゴミ箱へまっしぐら・・・もあるでしょう。

そういう眼科医に限って「無料保証のあるメガネ店へいきなさい!」と言っているかも知れません。

こんな「指示書」(らしきもの)もありました。

これは形を変えたキックバックになる可能性もあります。公立の病院はヤバイでしょう・・・・。

ま、いずれにしろメガネ屋と眼科が利害関係になるのは時代遅れです。

両者が良き関係にならないと、困るのはユーザー(患者)さんです。

 

最近は「遠近累進メガネは、メガネ屋さんのほうが詳しいので、そちらで相談してください」とアドバイスをしてくれる眼科も増えてきています。良い傾向です。(^^♪

いや、屈折検査、調整を放棄している通販業者にとっては悪い傾向です・・・・( 一一)

 

遠近累進の処方箋 5

遠近累進メガネの眼鏡処方箋度数では、「具合が悪い」と訴えられた場合、

 

3、当店で検査からやりなおす

の場合、当然結果責任がメガネ屋に生じてきます。

当店の場合、お客様との共同作業でメガネを調製することになり、「お客様との共同責任」になります。

なので、眼科には眼鏡処方箋度数で調製しなかったことを、お客様から眼科医に伝えていただくことが望ましいと思います。

しかし、そうすることにより「眼科医の機嫌を損ねるのでは」と危惧されるかたもおられます。

そんなことは気にする必要はないようにも思えますが、現実は・・・・・。

また、そのことを正確に伝えることが難しい場合もあります。

「処方箋度数では具合が悪そうだったので、メガネ屋で検査してもらいました」と言ってもらえらればそれでいいのですが、

「上手によう言えません・・・」とおっしゃるかたもいます。

それで「では、当方から眼科には眼鏡調製報告書を送っておきます」と対処をすることもありました。

「眼鏡調製報告書」とはこんなものです→『こちら

 

 

 

 

 

 

 

 

遠近累進の処方箋 4

遠近累進メガネの眼鏡処方箋度数では、「具合が悪い」と訴えられた場合、

1、再度、眼科に行ってもらう

2、そのまま処方箋通りに作る

3、当店で検査からやりなおす

の選択肢があります。

3番を選択すれば、メガネフレーム、メガネレンズタイプに応じて、度数調製ができます。

眼鏡技術者とすれば、腕の見せ所です。

検査からやり直すには、お客様の同意も必要とします。

誤解を招かないように慎重に説明をしていきます。

「基本的に眼科は病気を治すことが本職です。度数の検査でも眼科とメガネ屋とでは一般的に目的が違います。

眼科はどれぐらい見えるかに重点をおきますが、メガネ屋では用途、用法に応じて快適に掛けられる度数に重点をおきます。

また、遠近累進メガネは単焦点レンズ比較して、種類(タイプ)も多いし、タイプによって度数調整が必須になります。

光学的な知識も必要とします。

光学的知識に疎い眼科で、遠近累進を掛けたこともない測定者が、遠用と近用を別々に測定した度数で、遠近累進メガネの処方をするのは、どうしても無理があります」という感じでしょうか・・・・。

眼科とお客様との関係(濃いか薄いかなど)によっても、説明をアレンジしていきます。

 

 

 

遠近累進の処方箋 3

眼鏡処方箋度数をテストレンズで試してみると「具合が悪い」と訴えられた場合、

2、そのまま処方箋通りに作る

の選択があります。

 

遠近累進メガネを処方箋通りに作ることは、メガネ店とすれば何ら問題ありません・・・・。

というか、原則的には処方箋通りに作らないといけません。

これは、眼科が発行した眼鏡処方箋を尊重する意味と、具合が悪くても何らかの目的を持った処方かも知れないからです。

しかし、メガネ調製の目的は「快適に見ることができる。使うことができる」がほとんどです。

で、あるならばそのまま処方箋通りに作っていいものかどうか・・・・。

 

ま、だけどこの選択は、やはり仕上がりメガネの具合が悪くても「処方箋通りに作っています」と言うことができます。

(お客様はそれで納得するしかありません)

ややこしいことを避けるためにも、この選択を第一に考えるメガネ店も少なくないでしょう。

しかし、具合の悪い責任をメガネ屋に押し付ける眼科もありますから、そのまま作ることにもリスクはあります。

 

眼鏡技術者協会の倫理綱領として

1.認定眼鏡士は、常に生活者の視力の保護を第一義に考えて行動する。

2.認定眼鏡士は、生活者により良いビジョンケアを提供するため、可能な限りの配慮と努力を尽くす。

3.認定眼鏡士は、生活者が最先端の技術レベルによるビジョンケアを受けられるために、絶えず自己の教育、技術レベルの向上に努める。

4.認定眼鏡士は、他の専門職の診断や意見が必要と思われる場合は、生活者に速やかに、且適切な勧告を行う。

5.認定眼鏡士は、生活者に関して知り得た情報や知識の秘密をまもり、生活者の利益のためにのみ、それらを使用する。

6.認定眼鏡士は、自ら良識ある模範的な市民として生活し、行動する。

7.認定眼鏡士は、他の認定眼鏡士や専門職に携わる人々と誠意のある、私利を超えた人間関係を結ぶことにより、生活者の利益を第一とした情報の交換を行う。

8.認定眼鏡士は、生活者保護の精神を大切にし、景品表示法及び消費者契約法などを遵守する。
(誇大広告や不当表示などによる販売の拡大を慎む。)     (協会HPより)

 

というものがあります。

「そのまま処方箋通りに作る」ことは倫理綱領に反する行動ではないのかという疑問も沸いてきますが、

処方箋に関する問題を協会に言っても取り合ってくれません・・・・( 一一)

協会はユーザー本位、それとも眼科本位・・・。

9、認定眼鏡士は眼科とは利害関係にならないように、技術的に良き相互関係を結ぶこととする。

とは書いてないですね・・・・。

 

遠近累進の処方箋 2

眼鏡処方箋度数をテストレンズで確認していただくと「具合が悪い」と訴えられた場合

1、再度眼科に行ってもらう

選択があります。

この選択は、

・再度眼科に行く負担

・再度費用がかかる負担

・眼科では「この度数で問題ありません」と言われることもある

・再度処方箋を発行してもらっても、上手くいくとは限らない

などのデメリットが考えられます。

なので、「ユーザー本位」ではなく「眼科本位」の選択です。

眼科本位は、商売人でもあるメガネ屋にとっては、好都合です。

眼科医に睨まれる心配もありません。

しかしデメリットの多い選択は、ユーザーの不利益になる恐れもあります。

 

 

 

遠近累進の処方箋

事例

70歳代のA様

眼鏡処方箋をご持参されました。

処方箋度数は、

R(右眼) S+3.50D C-3.00DAx80

L(左眼) S±0.00D C-1.25D Ax80

(Sは、遠視度数、Cは乱視度数、Axは乱視軸)

R +3.00加入

L +3.00加入 「加入度数

メガネのタイプは、A様が以前から使用していた遠近累進メガネがご希望です。

以前から使用の遠近累進メガネの度数は、

R S+0.25D C-1,75D Ax90 加入度数+2,50

L S±0.00D C-1.50D Ax90 加入度数+2.50

です。

今回、処方の度数と前眼鏡度数は右眼度数が大きく変化しています。

左右の度数差も大きくなり、加入度数も強くなっています。

はたして、この処方で70歳代のA様はすんなり掛けられるか・・・(慣れるか・・・・)

 

不安を持ちつつ、テストフレームに処方度数をセットして、試していただきました。

するとあんのじょう「気持ち悪しい、使えそうにない・・・」とおっしゃいます。

こんな場合、

1、再度、眼科に行ってもらう

2、そのまま処方箋通りに作る

3、当店で検査からやりなおす

の選択肢があります。

さて、どうするか・・・・。

眼科併設の眼鏡店 2

眼科併設の眼鏡店。

特定眼科のお抱え眼鏡店には、眼鏡知識の低い眼鏡技術者、いや販売員さんがいらっしゃるようです。

ま、それも仕方ないですね。

お抱え眼鏡店は、眼鏡の勉強をする必要がないからです。

その眼科の処方箋通りにメガネを調製する加工屋でことたります。

それ以上の勉強をすると眼科とぶつかることにもなりかねません。

でも、処方箋通りすらもできていないこともあります。

勉強しないことによるデメリットです。

ミスによる影響がどれぐらい大きいかも分かっていない(多分)

ちょっと難しい加工には「無料で」と言う。

なにそれ!その無料はとても怪しい・・・・。

 

メガネには調整(フィッティング)技術も不可欠だけど、そんなことはメガネ販売員には関係ない。

そんなことを眼科が評価してくれるわけではないし、調整に関する光学的、力学的知識に疎い眼科は評価もできない。(眼科は病気を治す専門です)

いやはや。

 

 

 

 

 

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