縦の変化を操れる投手は必ず勝てる

YAHOOニュースより

元中日エース吉見一起さん「縦の変化を操れる投手は必ず勝てる

「やっぱり、横の変化だけでは限界がある。フォークのような縦の変化は打者が一番打ちにくい。

目が付いていかない。横よりも縦の変化は合わせにくい」

 

おっしゃる通りだと思います。

人間の目の筋肉は横方向は柔軟で、縦方向は固いです。

視機能トレーニングも横方向はトレーニング効果が期待できますが、縦方向は横方向に比較すると難しいです。

 

眼球運動をつかさどる筋肉を「外眼筋」といいます。
外眼筋は、4つの直筋と、2つの斜筋で構成されています。

内直筋が、主に内転および輻輳運動を行う筋肉で、眼筋の中では一番大きく、その作用も外直筋よりも強いです。

外直筋の作用は、内直筋に比較して弱いです。それで、内斜位のほうに問題が起きやすいです。

上下筋は、さらに弱いです。上下斜位のあるかたは、正常な眼球運動が阻害される確率が高くなります。

19 外直筋
20 内直筋
21 上直筋
22 下直筋
23 下斜筋
24 上斜筋

正常な両眼視機能は、両眼の眼球運動が正常に働くことが条件です。

 

眼鏡調製においても「上下斜位」の適切な矯正が肝心です。

上下斜位のあるかたは、縦の変化に弱くなるし、遠近感覚も悪くなる場合があります。

深視力」の弱い人に、上下斜位があるかたは少なくありません。

深視力 事例<不同視> 6

事例6

後日、調製したメガネで本番の「深視力検査」に臨んでいただきました。
結果は・・・・残念ながら不合格。

再度、トレーニングをしました。

1週間後の試験では・・・・・これも不合格。

できれば、半年ぐらいは調製したメガネで過ごされて、その上で視機能トレーニングをしたほうがいいのですが、そうはいっておられない事情もあります。

なんとかして合格してもらわないと・・・当方の腕の見せ所でもあります。

そこで、秘密兵器の「深視力トレーニングボックス(仮称)」貸し出しさせていただきました。
「これでしっかりと、お家で練習してください」と。
あと、視機能トレーニンググッズもお渡ししました。

その後、「合格しました!」と嬉しいご報告をいただきました。


「やれば、できる!」ということで、不同視のかたも「深視力」を諦めないでください。
本番の深視力検査に何度か挑戦していただく場合もありますが、それも貴重な練習(視機能トレーニング)と考えてください。

途中で諦めるのは絶対にもったいないです。

深視力 事例<不同視> 5

事例6

この度数での深視力検査は、「棒の動きがわかりません」とおっしゃいます。
棒の動きが分かりづらいのは、想定内です。
そんなに簡単に、高度な視機能が発揮できるとは思えません。
その機能を発揮するには、しっかりと深視力検査(視機能)トレーニングをしていだくことになります。
暫くトレーニングをしていただき、度数の調製をしてみました。
R S+0.25D C-1.50D Ax85 3△B.I.
L Sー5.25D C-0.25D Ax70

すると、この度数のほうが深視力検査においては向上する感触がありましたので、F様とのお話合いの結果、上記の度数に決定しました。

さて、この度数で本番の深視力検査に臨んだF様は・・・・・。

 

深視力 事例<不同視> 4

事例 6

F様が子供のときから適切に不同視を矯正していたら、プリズム誤差問題もクリアしていて、おそらく深視力検査もスムーズに合格していたのではないでしょうか。

といっても、片眼が見えていれば、大きな不自由はないので、そのまま過ごされていたのでしょう。
実際、私も子供のときから「不同視」で子供の時は眼鏡矯正をしていませんでした。
なので、その気持ちはわかります・・・・。
しかし、不同視は視機能不良が起きやすくなります。
視機能のなかでも最高機能を要求される「深視力検査」などが苦手になります。
当然、通常の車の運転などにも支障がでてくることもあります。

さて、それでF様の調製度数をどうするか・・・・。
通常、不同視のかたの場合、まず、左右眼で度数差の少ないメガネを選択して、「徐々に度数を適切度数に近づけていく」方法でいく場合が多いです。
しかし、今回の目的は「深視力検査合格」です。
度数差を少なくすれば、視力検査にも不合格になる恐れがでてきます。

それで、視力検査には合格できそうな
R S+0.25D C-1.50D Ax85 3△B.I.
L Sー4.50D C-0.25D Ax70
で、装用テストをしてみました。
当然「違和感があります」と訴えられました。
今回、「深視力合格が目的ですから・・・」と、ご説明。


深視力 事例<不同視>3

プリズム誤差とは
そもそも眼鏡レンズはプリズムレンズの集合体と言えます。
レンズの光学中心(光心)以外でモノを見ると、レンズのプリズム作用が生じてしまいます。

この場合、プリズム作用が生じたとしても、左右が同程度の度数であれば、左右眼ともにほぼ同じ量のプリズム作用が生じてきますので通常は問題になることは少ないです。

しかし、左右差のある不同視眼ですと、左右で生じるプリズム作用が大きく異なってきます。
この誤差を「プリズム誤差」といいます。

 
 PD(瞳孔間距離)と眼鏡レンズの光心が一致することにより、プリズム誤差は生じません。
不同視のかたは、光心以外でモノを見ることが問題になる場合もあります。


プリズム誤差は水平(横)方向の誤差はあまり気にすることはありません。
なぜなら、人間の眼は水平方向に動かす眼の筋肉は柔軟性があり、融通が利くからです。
しかし、垂直(縦)方向はそういうわけにはいきません。非常に融通が利きづらいです。

垂直方向にプリズム誤差が生じれば生じるほど、疲れやすくなります。

深視力 事例<不同視> 2

事例 6

眼位(視軸の向き)は、
R 1△B.U.(ベースアップ)
4△B.I.(ベースイン) 

上下斜位に関しては、不同視のかたの場合、テストフレームの微妙な傾きや視線の持っていきかたで「光学的斜位」が検出される場合があります。

それで、裸眼の状態で再度特殊な装置を使って眼位チェックをしてみました。
その結果、上下斜位(ベースアップ)矯正は必要ないと判断しました。

F様の場合、コンタクトレンズを作られていて、コンタクトレンズの上から眼位矯正をする方法もあります。
しかし、コンタクトレンズは角膜を痛める恐れもあります。
将来的なことも考慮に入れて、メガネ矯正をすることになりました。

それで、問題は「不同視」です。
不同視のかたのメガネで大きな問題は、レンズの「プリズム誤差」が生じて疲れやすくなるということです。

深視力 事例 <不同視>

事例 6

30代のF様

「教習所での深視力検査は適当に答えたら当たった。しかし本番ではダメだった。
他店でメガネを作り、コンタクトレンズも作ったが、やはりダメでした・・・・」

当店での検査

両眼開放屈折検査での基本度数(5m)は、
R(1.2×S+0.25D C-1.50D Ax85 )
L(1.2×Sー5.50D C-0.50D Ax70)

左右眼で度数差が大きい「不同視」です。
子供のときから左眼は見えにくくなっていたとのことです。

深視力(深径覚)、遠近感覚が不良の原因には、眼に関する事として

1、視力の不良(遠視、近視、乱視など)
2、眼位のズレ(斜位、斜視など)
3、不同視(左右の度数差が大きい)
4、眼球運動の不良(眼を内よせする力不足、眼を外よせする力不足など)などがあります。


メガネのハマヤでは深視力検査に合格するように、視力で0.8以上見えるメガネを作ります。
立体視が悪いようでしたら、悪い原因を探り、立体視が良くなるように調整します。
その上で、遠近感覚が良くなるように深視力計で、目のトレーニングを実施しています

床にメジャー

店内床にメジャーを貼りつけました。

Dscn07821

これは、「深視力」で、PD(瞳孔間距離)と浮き上がり(立体視)の関係をチェックするためのものです。

視標からどれくらい浮き上がって見えるか、実際にチェックします。

 

たとえば、視標までの距離を500㎝、視差が2㎝としますと、
PDが70mmのかたは、浮きあがり量は約111㎝
PDが60mmのかたは、約125㎝になります。

PDが狭い人ほど、浮きあがり量が大きくなります。

と、いうことは、
「PDが狭い人ほど深視力は、良い成績になる」かも知れません。
しかし、一般的にPDが大きくなれば前後感覚の違いを判断しやすくなります。
その意味では深視力は、PDの広いかたのほうが有利になることもあります。

深視力用メガネ 6

近視のかたは「外斜位」に、遠視のかたは「内斜位」になりやすいです。

これは眼の筋肉(外眼筋)のメカニズムによります。これが自然といえば自然です。

なので、「対応がしやすい」ということも言えます。

この場合、近視も遠視も完全矯正に近づけて調製したほうが「斜位の軽減には有効」です。

しかし、近視で内斜位、遠視で外斜位(40歳以前)は、不自然な眼位です。

ということは「対応が難しい」面があります。

この場合、眼位的には屈折矯正は弱めにするほうがいいのですが、そうすれば、視力などに問題が出てきます。

屈折は完全に矯正して、プリズムで補正する方法もありますが、プリズムによる違和感を強く感じるかたもいます。

違和感の少なさ、良い視力、眼位、

なにを優先するかの選択になります。

深視力が必要な場合、もちろん深視力を優先します。

たとえば、遠視で外斜位の場合、

矯正度数はやや弱めて、プリズム矯正をします。

そのプリズム度数も弱めから試していただきます。

やはり違和感も少なくしたいからです。

それで、当店検査で深視力がOKであれば、その度数で視機能トレーニング(深視力トレーニング)をしていただきます。

しかし、不自然な眼位のかたは、眼位が安定するまでに時間がかかることもあります。(どこが安定なのかの判断も難しいのですが・・・)

できればじっくりとお付き合いください。

 

 

 

 

 

 

深視力用メガネ 5

深視力が苦手で、「遠視」のかた。

遠視とは、眼が全く調節を行っていない(例えば無限遠方を見ている)ときに、眼に入る平行光線が網膜より後に結像してしまう状態をいいます。
この状態では、ものがハッキリと見えませんので、調節機能で焦点を網膜上にもってくるようになります。
常に毛様筋を使い眼が緊張しているため、眼が疲れやすくなります。


遠視は、調節輻輳の関係を抜きにしては語れません。それだけ調節と輻輳に影響を与えやすいのも遠視眼です。

遠視度数よりも調節力が大きい遠視は「随意遠視」 調節力 > 遠視度
遠視度数よりも調節力が小さい遠視は「絶対遠視」 調節力 < 遠視度
遠視度数よりも僅かに調節力が大きい遠視は「相対遠視」 調節力 >僅かに 遠視度
と呼んでいます。

「随意遠視」、「「相対遠視」のかたは、通常遠見視力に大きな問題はありません。(他に問題がなければ)
その問題のなさが「深視力」を甘く見る傾向にあります。

「視力は1.5見えているから深視力は大丈夫だろう」と。

だから遠視のかたのほうがやっかいです。

視力には問題がないので、メガネを掛けることにも抵抗があります。

学童期のころから遠視をキッチリと矯正しておけば、大人になってから苦労しないのです。

遠視は、近視よりも適切な矯正が必要とされる屈折異常です。

 

 

 

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