先日「老眼が治せる!」とテレビで放送していました。
これは、以前にも同じ番組で放送された「モノビジョン」法を取り上げたものでした。
なーんだ、同じ内容ではないですか。
前回は「老眼の改善」だったものが目先を変えて「老眼を治せる」にしたのですね。
前回はAさんが、そのモノビジョン法を試して、
「ウワー、遠くも近くもスッキリ見えます!」と大はしゃぎしていました。
今回の放送では、そのAさんもゲスト席に座っていました。
ところが、MCさんが「老眼が治せます」と紹介したところ、
「へー、そんなことができるのですか」と、初めて知ったような表情をされていました。(ま、そこはバラエティー番組ですから・・・・・)
その後、Aさんはモノビジョン法を継続しているのだろうか?
番組では何もおっしゃいませんでした。ということは・・・・・。
今回の放送でモノビジョンを試したBさんは・・・・。
ところで、何度も言いますが、
私の眼は「不同視」です。
(メガネで矯正しなければ、自然なモノビジョン状態です)
不同視は「視機能異常」になりやすくなります。
視機能異常は、遠近感覚が不良になりやすくなります。
遠近感覚不良は、交通事故に繋がる恐れがでてきます。
交通事故は、不幸を招きます。
不同視とモノビジョンは、左右眼でのバランスが悪くなる点においては同じようなものです。
でも、人為的に行ったモノビジョンと不同視とでは脳の混乱度合は全然違います。
脳の混乱は自律神経が乱れる恐れがでてきます。
それでいいの? そもそも眼科医は病気を治すことが仕事では。
「遠くも近くもこれで見えます。便利でしょう。でも病気になりました」で、いいの?
そんな危険なことをするよりもメガネで適切に矯正すれば、快適な視生活を送ることが期待できます。
モノビジョン矯正法が「老眼が治せる」表現にも違和感が大きい。
老化は治るものではなく、治せるものでもない!
次回の放送は「老眼が消える」かな・・・・。
モノビジョン法が向いている目があります。
私のような「不同視」眼が老眼になった場合です。
不同視のかたが遠近両用メガネを作る場合、難しくなることが少なくありません。
それは遠近両用レンズは遠用部(遠方を見る部分)から、近用部(近方を見る部分)に視線を垂直移動して見るレンズだからです。
不同視眼は左右の度数差が大きいので近用部に「垂直方向のプリズム誤差」が多く発生します。
たとえば、私は垂直方向の度数差が約3.00Dあります。
遠用部から近用部への視線移動が10mmの場合、近用部では左右眼で3△(△はプリズム量の単位です)ものプリズム誤差が発生します。
3△といってもピンとこないと思いますが、普通この誤差はとてもしんどいです。
「モノが二重に見える」と訴えるかたもいます。
そんな不同視の場合、
左右眼をほぼ同度数で、片眼は遠方を見る度数、もう片眼は近くを見る度数で調製する(単焦点レンズで)モノビジョン法ができることもあります。
これなら左右眼が同じ度数ですから、プリズム誤差の心配がなくなります。
遠近累進両用レンズの欠点もなくなります。
で す が、私は自分の目にモノビジョン法は実施していません。
私は斜位もあるし、それでなくても車の運転は苦手です。モノビジョンで脳が混乱するとよけいに交通事故の危険性が増えるからです。
ぼちぼち私も高齢者になるのですから・・・・。
いずれにしろ、モノビジョン法は積極的におすすめできる方法ではありません。
モノビジョンは大きな欠点もあります。
基本的には将来のこと、視機能のことも考慮に入れて、不同視のかたでも正常な両眼視ができる度数からおすすめしていきます。
今まで正常な両眼視をしていたかたが、なんらかの理由で片眼の網膜にピントが合いづらくなると・・・・・。
「融像」することが困難になります。
(融像とは、左右の網膜に映った像を一つにまとめて、単一視する機能です)
左右眼の網膜に映った、異質の像は一つにまとめづらいからです。
それでも脳は今までの習慣で単一視をしようと努力をしてくれます。
当然、この努力は眼精疲労や違和感を引き起こす可能性が高くなります。
遠近感覚も悪くなる恐れもでてきます。
遠近感覚が悪いままで過ごしていると、車の運転はもちろんのこと、高齢になるとちょっとした段差が危険になってくることもあります。
そういうことも理解をした上で、モノビジョン法を試してください。
ただし、レーシックなどの手術でモノビジョンにすることはやめたほうがいいです。
元に戻すことができませんから・・・。
なお、コンタクトレンズも角膜を痛める危険性があります。
角膜の内皮細胞が減る傾向にあるかたは、コンタクトレンズはしないほうがいいです。
内皮細胞が減ると、視力が弱くなってくるかたもいます。
コンタクトレンズもモノビジョン法も本当の病気になることもあります。
テレビ高知(TBS系)で放送された「名医のTHE太鼓判」(22日放送)観ました。
その中で老眼を改善する方法として「モノビジョン法」が紹介されていました。
モノビジョンとは、左右眼で役割分担をさせようというものです。
たとえば、右眼は遠くが見えるようにして、遠方度数で調製。(左眼は遠方にピントが合いません)
左眼は近くが見えるようにして、近方度数で調製。(右眼は近方にピントが合いません)
放送ではコンタクトレンズの矯正で試していましたが、モノビジョン法はメガネで調製することもできます。
ただし、メガネでは左右の度数差が問題になることもあります。
さて、それでは「モノビジョン法」が老眼の改善といえるかどうか・・・・です。
放送では番組的にタレントさんが「ウワー、遠くも近くもスッキリ見えます!」と大はしゃぎしていました。
これは演出上仕方ないとして、名医?さんが「モノビジョンのデメリット」の説明をしないのはいかがなものだろうか。
コンタクトレンズでのモノビジョン矯正が「改善」ですか・・・・?
モノビジョンにすると、網膜に映る像が左右で違ってきます。
その違いは、視機能異常になることもあります。
また、そういう左右眼での使い分けに慣れていなかたは、モノビジョンにすることにより自律神経が乱れる恐れも出てきます。
テロップでは簡単にデメリットの説明が映っていましたが、視聴者にはおそらくメリットしか見えていないでしょう。
モノビジョン法は具合の悪いことは多々あるのに、その責任を名医はとってくれるのだろうか?
モノビジョンによるストレスで老化が進むこともあるのではないだろうか?
大絶賛していたタレントさんは今後もモノビジョンで生活していくのだろうか?
なお、私は「不同視」という眼です。
左右眼で度数差が大きい目ですから、メガネやコンタクトレンズで矯正しなくても自然なモノビジョンになっていました。
子供のときからモノビジョンでした。
そのために視機能異常になり眼精疲労が激しく、斜位にもなり、遠近感覚も悪く、球技などのスポーツが大の苦手でした。
もし私が子供時代モノビジョンでなければ、今よりもさらに優秀な人間になっていたかも知れません・・・・
いや、よく考えてみれば、このモノビジョンが今の仕事に物凄く役にたっています。
メガネ屋としてモノビジョンの苦しさが人一倍わかりますから・・・・。
50代のお客様
遠近両用累進レンズ で、「近くが見えづらい」とのことです。
メガネを拝見してみますと、「アイポイント」が相当メガネの下部に設定されていました。
通常、アイポイントはフレームの玉型中央より4mm上ぐらいにレイアウトすることが多いです。
↑レイアウト用のシールを貼っています。緑色の円(アイポイント)が遠方を見たときの瞳孔位置です。
赤色部分が近用部分で、この赤部分がフレームに入るぐらいに玉型の縦の長さが必要です。
←ぐらいにレイアウトされていました。これでは、近用部はほとんど切れてしまっています。
遠くの視野を広げるように配慮して、このレイアウトにしたのかも知れませんが、これでは遠近両用レンズを作る意味がありません。
50代のかたには辛いですね・・・。
某量販店で購入されたそうですが、遠近両用レンズを掛けたことがない店員が作ったのでしょうか・・・・
遠近両用メガネは視野が狭くなるなどの欠点もあります。
だけど上手に使いこなしてもらえれば、とっても快適で便利な道具です。
上手につかいこなすには、「欠点を受け入れて、長所を認める」ということも必要です。
メリットとデメリットを天秤にかける作業ですね。
メリットを優先的に考えたほうがいいように私は思いますが、こればかりはなんとも言えません。人それぞれですからね・・・。
メリットでよしとするか、デメリットでダメとするか・・・。
悩むところですね。
ま、悩むのも脳にはいいんです。
「老眼鏡の作り方」をアップしました。
近くのモノを見る「老眼鏡」って、とっても大切だけど「近くのモノを見るだけだから・・・」と言う人もいます。
だけど、近くのモノを快適にしっかり見ることは脳の健康に良いのです。
だから、近くのモノを見るメガネは遠くのモノを見るメガネよりも、りぐった方がいいですよ。
いや、メガネはできればどっちもりぐった方がもっといい・・・。
りぐるといっても、値段が高ければいいというものでもないから、そこのところ誤解のないようにね。
りぐった老眼鏡を作るには、りぐった眼鏡士を選ぶのが一番です。
ところで、「りぐる」というのは土佐弁やろか?
良い意味で捉えれば「りぐる」は「上質の」とかいう意味です。
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