調節について 42

高知新聞 コラムより

体の衰えを日々感じる40代。隠せなくなった白髪に続き、アレがやってきました。老眼です。

視力は裸眼で1.5「目がいいと早く来る」と聞いていたので覚悟はしていました。

 

「目がいいと早く老眼になる」これは正確な説ではありません。

正視、遠視、近視でも等しく老眼になります。

でも、一般的には ↓ ということです。

 

老眼(老視)とは

一般的に30cm前後の近業をするのに、見えづらくて不自由を感じるようになった状態を老眼と言っています。正視眼の場合、45歳ぐらいから老眼の自覚症状が現われてきます。
・眼が疲れる
・頭が痛くなる
・肩こりがおきる
・イライラする
老眼になるのは、眼の調節力(近くのモノを見るために、水晶体を膨らませる眼の力)が年齢を経るに従って低下してくるからです。
こう書くと、
「そうか、老眼は調節力の老化現象で、調節力は45歳から衰えるのだ」と思うでしょう。
でも、実はそうじゃないんです。
調節力の低下は生まれたときからはじまっていて、10歳ぐらいからドンドン弱くなってきます。
ということは、「眼の老化現象は10歳から」とも言えます。 これは人間の長い人生で、肉体の成長はほんの十年ぐらいで、悲しいかなあとは老化の一途ということでしょうか。

長~い老化人生は嘆いていないで、老化を楽しまなきゃ損です。
「老視になった、人生も終わりだ」な~んて、考えないで、「老眼になった、これでオシャレな、カッコイイ老眼鏡を掛けられる」と。

 

調節について 41

<調節と輻輳の関係>

調節について 40

A様の調製度数は、
R S-3.75D 
L Sー4.00D 
で、仕上げることになりました。

眼位矯正は、2△B.I.

A様はコンタクトレンズを併用されていましたが、コンタクトレンズでは眼位の矯正ができません。
目が痛いこともあるので、できるだけコンタクトレンズは入れないようにアドバイスしました。

輻輳力が弱い「輻輳不全」タイプのかたには、輻輳力トレーニング(視機能トレーニング)が有効です。A様には色々なトレーニンググッズをお渡ししました。

単調なトレーニングは、継続してやることは困難な場合もありますが、A様には頑張ってもらいたいです。

その後、A様に具合をお聞きしますと、「非常に具合がいいです」とおっしゃっていただけました。


A様の場合、前眼鏡メガネは「キツク感じて、掛けづらかった」とおっしゃっていました。
そのキツク感じるメガネよりも、今回は度数を強めて調製しています。
これは、怖い面もあります。
「キツク感じたメガネよりも、なぜ度数を強めるのか。出鱈目なメガネ屋だ!」とクレームになる恐れもあるからです。

「キツク感じているのだから、度数は前眼鏡度数よりも弱めて調製する」という安直な方針(マニュアル)でやっているメガネ屋もあるでしょう。
その方が簡単で、眼位の検査もしなくていいですからね。

しかし、A様の場合はその方法では、眼精疲労、複視などの症状が改善されることはないと思います。

視機能を優先的に考えれば、「しっかりとA様に眼位の説明をし、ご理解をいただき、調製度数を考える」という方針が望ましいです。
そうしないと、A様の症状は酷くなってくる恐れがあります。

当店は、「できるだけ視機能を優先したメガネ調製をしていきたい」方針です。
ただし、度数の決定はお客様です。

A様が前眼鏡でキツク感じていたのは、おそらく「コンタクトレンズに比較して」ではなかったでしょうか。

これは、どうしてもメガネの方が空間視の違和感を感じやすいからです。
それを踏まえた上で、メガネ調製をしたのかも知れませんが、いかんせん、見え方はイマイチです。
違和感だけあり、中途半端なメガネになったのでしょう。
「イマイチのメガネは、不満であっても大きなクレームにはなり辛い」と考えたのかも知れません。

いずれにしろ、視機能を考慮に入れたメガネ調製ではありません。

今回も当店の方針通り、視機能優先の調製をしました。
結果、成功しました。
が、いつも成功するとは限りません。「ダメ!」と言われケチョンケチョンにお叱りを受けることもあります。
そんな時は落ち込みますが、クレーム(失敗)を恐れていては高度な処方はできません。
本田技研工業の創業者である本田 宗一郎さんも「恐れなくてはいけないのは、失敗を恐れて何もしなくなることだ」と言っていました。

とは言っても、やはりクレームは怖いです。大切なお客様を失う可能性もありますし、店の評判も悪くなります。
小さな小売店にとって、悪い評判は死活問題に繋がります。

 

それで、当店は視機能優先調製を心がけつつ、かつクレームにならないよう、しっかりした説明をするようにしています。
たいていのクレームは、説明不足ですから。
しかし、一般のユーザーのかたに光学的な説明をするのは、とても難しいです。

「輻輳力」なんて専門用語も難しいです。

ですから、どうしても説明に時間がかかってしまいます。
眼位等に問題のあるかたは、検査と説明で2時間ぐらいかかることはしょっちゅうあります。
お客様も大変でしょうが、私も誠心誠意で接していきますので、どうかご理解をいただきたいです。

A様の調製が成功したのも、A様にご理解をいただいたことが大きいです。
コンタクトレンズは中止し、積極的にトレーニングを頑張っていただき、新しいメガネに順応する努力をしてくれたことが成功へのステップでした。

ありがとうございました。

A様のメガネは、A様と浜田 清と久美との共同作業で調製し、共同責任になります。

 

調節について 41

<調節と輻輳の関係>

眼はカメラのレンズのように、見たい距離に応じて屈折力(光線を曲げる力)を変化させ、焦点を網膜上に合わせる機能を持っています。

これを眼の調節機能といい、その役割を「水晶体」とよばれる眼の中にあるレンズで行っています。上図のような場合は、水晶体を膨らませることでより強い屈折力を得、下図のように網膜上に焦点を合わせています

 

 

 

 輻輳機能の問題に関しても、基本になることは「遠視、近視、乱視」の適切な矯正です。
適切な矯正ができていないと、調節力を過剰に使用したり、調節力の使い方が少なすぎたりします。

そういうことが、眼位異常(輻輳異常)に繋がりやすくなります。

たとえば、近視のかたが、裸眼もしくは低矯正で近見視をすれば、正視のかたよりも調節力が少なめですみます。近視度数や近見距離によっては無調節で近見視ができます。
「調節力が節約できていいのでは」と思われるかも知れませんが、そうではありません。

調節機能を節約すれば、調節性輻輳の働きが悪くなり、眼位ズレが起きやすくなります。

視機能異常にならないためには、幼少期から眼位を考慮に入れて眼鏡調製をしたほうがいいです。

 

調節について 40

<調節と輻輳の関係>

輻輳力が弱いかた、寄り目が苦手なかたはパソコン作業で疲れやすくなります。

事例 1

20代のA様

眼精疲労があり、時々物が二重に見えるときがあります。
頭痛、肩こりなどの症状もあります。

ご使用メガネの度数は、
R S-2.75D
L S-3.00D
このメガネでの矯正視力は、0.4~0.5。

5mでの基本度数は、
R S-4.25D 
L Sー4.50D 
でした。

眼位(視軸の向き)は、5△B.I.外斜位。

精密立体視は、やや弱かったです。

屈折度数(近視度数)関しては、左右の度数差も少なく、乱視も矯正するほどの乱視はありません。
すると、眼精疲労の原因は外斜位か?

さらに、眼精疲労の原因を探るべく、近見での輻輳力検査をすると、輻輳力が非常に弱かったです。
これです。眼精疲労などの症状の大きな原因の一つは!

A様も輻輳力が弱いことは、自覚されていまして「夕方以降、パソコンなどに焦点が合いづらくなります。寄り目はできません」とおっしゃっていました。

輻輳力が弱いかたの場合、調製度数に配慮が必要になってきます。
調節力と輻輳力は、連動していますから、調節力が働くような度数に調製することが原則です。
しかし、調節力が働くということは、調節力に負担がかかることでもあるので、お客様の年齢なども考慮に入れて度数調製をしていきます。
前眼鏡との兼ね合い、違和感のことも考慮に入れます。

調節について 39

通常、近くの物を見るときは、調節をします。





調節をすると、輻輳も連動して働きます。これを「近見反応」と呼んでいます。

調節は、目標物を明視するためのピント合わせ、輻輳は目標物を単一視するための眼球運動をします。

このように、いずれか一方が働けば、その刺激が伝わってもう一方が働きます。便利なメカニズムです。

しかし、大きい外斜位があると眼位を補正するためには、輻輳力を大きく必要とします。
この時、調節も大きく引き起こされます。
すると、片眼視力に比較して両眼視力が不良となる場合があります。これを「斜位近視」と呼んでいます。
(こんな時は、「輻輳だけ働いてくれたらいいのに」と思っても、人間の眼はそこまでは、精巧にできていません)

斜位近視では、外斜位の矯正を優先的に考えるべきで、プリズムで眼位の矯正をすれば近視度数は、軽減できます。


調節について 38

<調節と輻輳の関係>

メガネというものは遠視、近視、乱視、老視、の矯正はもちろんのんこと、斜位の矯正や輻輳力を補うことまでできます。
それだけ、メガネというのは素晴らしい道具です。

パソコン作業や読書などで疲れやすいかたの中には、輻輳力の弱いかたは本当に多いです。特に40歳を過ぎたかたは、眼の調節力(モノを見るための力)が弱ってくるので、調節力と連動している輻輳力はよけいに弱くなります。

当店は、輻輳力を鍛えるトレーニングや、遠近感覚を必要とするスポーツに効果的な眼のトレーニング方法をアドバイスしています。

輻輳力を鍛えるトレーニング方法

ブロック・ストリング法
・ブロ
ックストリングとは、色違いの直径10㍉~15㍉ぐらいのプラスチックの玉を通した3㍍程の長さのひもです。

・輻輳力のトレーニングや、両眼のチーム
ワークのための効果的なスポーツトレーニングができます。

 

 

調節について 37

<調節と輻輳の関係>






                (イメージ図)
緑鉛筆を注視すれば、赤鉛筆は2本に見えます。
これが正常な状態です。
赤鉛筆を見るのにも、緑鉛筆を見るのにも眼の輻輳力を使って見ています。

赤鉛筆を見るほうが、より輻輳力を必要とします。

次に、赤鉛筆だけを使用して(どちらの手に持ってもかまいません)、20㎝~30㎝の距離より徐々に眼に近づけて、赤鉛筆を注視していってください。
この動作を繰り返し数回行ってください。

どうでしたでしょうか。少し眼が疲れませんでしたでしょうか。
この実験は、眼を内側に引っ張る力を鍛えるためのトレーニングになります。

輻輳力が弱いかたは、このトレーニングを20往復で1日に5回程度行うことを奨励しています。

輻輳力が弱いということは、当然近業での作業は疲れやすくなります。当店のようなHPは字が多いので見るのがイヤになります。
それでは、お客様も当店も困ります。なんとかしないといけません。

なんとかするには。

輻輳力が楽になるようなメガネを当店が作ります。

 

こちらも輻輳力のチェックができるグッズです。 ↓

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ビジョントレーニング(輻輳トレーニング)もできます。

 

調節について 36

調節と輻輳の関係

輻輳力とは、近くのモノを見るときに、近くに焦点が合うような視線に、眼の筋肉を内側(鼻側)によせる力のことです。

少し簡単な実験をしてみてください。

鉛筆かボールペンのようなもの2本を用意してください。できれば色違いを用意してください。
例えば、赤鉛筆と緑鉛筆を使い、左手で赤鉛筆を眼前約10㎝~15㎝位にセットし、右手をいっぱい伸ばした状態で緑鉛筆を持ってください。

最初に赤い鉛筆を見てください。1本に見えていますか。1本に見えていれば赤鉛筆を見ている状態(視線は赤鉛筆に合わしています)で、緑の鉛筆は何本に見えていますか。
2本に見えるはずです。

この実験は、簡単な両眼視の検査です。もし、赤鉛筆を見ている状態で、緑鉛筆がもし2本に見えていなければ両眼の連動が悪くて、両眼でモノをとらえていません。

こちらにもどうぞ→「抑制について

 

調節について 35

<調節力と老眼鏡の関係>

輻湊力

普通、人間は近くのモノを見るのには両眼の眼球を内側に寄せて見ます。
輻湊力とは、内側(鼻側)に寄せる眼の筋肉の力のことを言います。

輻輳力は、年齢とともに低下する傾向にあります。
輻湊力が低下すると、当然読書などの近業に疲れやすくなります。

眼の疲れは確実に脳も疲労します。その疲労は肩こりなどに繋がります。

加入度数が適切だったとして「老眼鏡は、良く見えるのだけど、なんだか眼が疲れるなー」と感じているかたは、輻湊力を考慮に入れていない老眼鏡の場合も少なくありません。

ちなみに、浜田 久美は輻湊力が非常に弱いです。
「書類の仕分けなどの近業をしていたら、焦点が合わないような感じになり、頭がボヤーっとしてくる」とのことでした。

輻輳力の検査をしたら「弱いねー、こりゃ疲れるわ」ということで、低下している輻湊力を補うプリズムレンズで調製したら、その後眼の疲れも少なくなり、帳面のミスも少なくなりました。
今は、両眼で6△(プリズム度数)の補正をしています。

輻湊力が弱くて近業で疲れやすいかたは、浜田 久美の体験からくるアドバイスもいたします。
浜田 久美も老眼鏡世代の昭和37年生です。

眼の視機能を最大限発揮しなければいけない時は、近くのモノを見るときです。
近方視の眼球運動が円滑にできなければ、能率的かつ柔軟な視機能が行えず、「モノがハッキリ見えない」、「疲れやすい」などの症状がでてきます。

近くのモノを見るメガネだから快適にオシャレなメガネにしてください。

調節について 34

<調節と老眼鏡の関係>

老眼鏡は老眼の眼鏡士に

浜田 清は老眼です。老眼になるとやはり不自由な点が多々でてきます。
眼も疲れやすくなるし、眼位も不安定です。

私の場合、もともと「不同視」といいまして眼が疲れやすい、ちょっとやっかいな眼を持っているのですが、40歳をすぎて老眼になってからは、よけいに疲れやすくなりました。

また体調も不安定になり、不定愁訴も襲ってくるようになりました。
「このまま違う世界へいくんじゃなかろうか」なんて思う夜もありました。
これは男の更年期ってやつでしょうか。

体調が不安定の上に40歳代後半には交通事故に遭い、波乱の40歳代を締めくくりました。

ま、それも50歳になってどうにかこうにかやり過ごせたようで、お蔭様でここ数年は体調も安定しています。

で、何が言いたいかといいますと
実際に老眼になってみないと
実際に体調が悪くなってみないと
わからない点もあり、「不自由になって初めて見えてくるものもある」ということです。

ですから、老眼鏡の不自由を感じていない眼鏡士よりは

老眼鏡作りは、実際に老眼鏡や遠近両用メガネを掛けている老眼世代の人間にアドバイスをしてもらったほうが良い老眼鏡になる確率は高くなる。
ということが言えるのではないでしょうか。

 

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